高江控訴審、遂に結審 人権擁護の最後の砦としての司法の使命を

「沖縄高江への愛知県機動隊派遣違法訴訟」控訴審も、遂に結審を迎えました。

8月26日に開かれた法廷では、本裁判の本質について最終弁論が行われています。まず、吉田光利弁護士が機動隊派遣決定の「手続的違法性」について論述、当時の県公安委員長の入谷正章氏の証言からも、公安委員会からの事前関与なく県警本部長が「違法に単独で意思決定」、公安委員会への事後報告も「内容は極めて杜撰」と断じました。

続く大脇雅子弁護士が述べた「本裁判が問う事案の本質」は、沖縄がなぜ非暴力のたたかいに立ち上がらなければならなかったかの歴史を中心に、沖縄の「憲法なき戦後」の現状を示して、「今や日本国憲法を活かし、国民の基本的人権と地方自治を擁護する?制度的保障ができるのは司法しかない」と訴えるのです。

原告の代表の具志堅邦子さんに「最後の意見陳述はこの人しかない」と言われて、法廷に立ったのは新城正男さん。太平洋戦争末期、沖縄北部の疎開先で生まれた新城さんは、戦後疎開先から戻った時には家屋敷がすでに米軍嘉手納に接収されていたという幼少期から、本土で沖縄返還運動と出会った自らの人生を振り返り、沖縄が強いられてきた苦難と理不尽を語ります。「沖縄の怒りは私自身の怒り」と述べ、今回の機動隊派遣を「沖縄で生まれ愛知で暮らす私は裏切られた気持ち」と結びました。

報告集会で新城さんは、「軍隊は住民を守らない」「日本唯一の亜熱帯の自然を守る」「戦争に向かう日本への危機感」を訴えたたかったと強調しています。報告集会では、「原案をくつがえすために全力をつくした」(大脇)、「沖縄の苦痛をいかに裁判長に伝えるかに努力した」(内河)などの報告とともに、具志堅さんの「最初から最後まで、学ぶことの多い裁判だった」の言葉が印象的でした。

判決は、10月7日(木)午後3時から言い渡されます。