高江の機動隊弾圧も違法と認める

名古屋高裁は、東村高江の米軍ヘリパット建設に愛知県警が機動隊を派遣したのは違憲として、隊員の給与など、約1億3千万円を当時の県警本部長に賠償させるよう愛知県に求めた住民訴訟の判決で、10月7日、派遣手続きの違法性を認め、約110万円の賠償を命じました。判決理由で「派遣決定は愛知県公安委員会の実質的意思決定に基づいておらず、違法だと言わざるを得ない」と判断。

地裁判決は県警本部の専決を「事後的に治癒された」として違法性を認めませんでした。しかし高裁は沖縄への派遣は「異例または重要」な派遣なのに、公安委員会の機能が形骸化していると批判しています。また、高裁判決で、沖縄現地で警察職員の検問や撮影等の行為についてもその適法性あるいは相当性について疑問が生じ得る」「車両とテント撤去については強制的に撤去する法的根拠は見当たらない。違法である疑いが強い」と踏み込んでいます。高江の非暴力の抵抗運動を認め、警察機動隊の暴力的な弾圧を違法と認めたと言えます。ここが愛知の訴訟の重要な点です。沖縄タイムス記者の安部岳さんが高江に通い詰めた告発本「国家の暴力」と重なっています。

弁護団「声明」の一部を示すと、「愛知県が行うべきは、高裁判決に対する上告を断念した上で、公安委員会の機能回復のための抜本的改革に速やかに踏み出すことである。われわれは本件裁判の完全勝利をめざしつつ、沖縄県民と連帯し、沖縄の米軍基地の問題を自らの問題として受け止め、辺野古新基地建設反対、北部訓練場を含む沖縄の米軍基地の縮小・撤去、あらゆる基地被害の軽減・根絶のために引き続きたたかう決意を表明する」と記されています。今回の高裁判決で、警察法の民主的原則が官邸主導の強権政治、警察庁主導による警備警察の国家警察的運用が浮き彫りになっていると指摘しています。(「命どぅ宝」あいち 新城正男)