次の世代に伝える「お母さんごめんなさい」 被爆体験聞く会

10月30日(土)、愛知県高校生平和ゼミナールと青年・学生部が中高生を対象に「被爆体験を聴く会」を開催し、沢田昭二県原水協理事長から被爆体験を聞きました。
民主会館には小学生から大学生まで9名が集まり、オンラインでも5名が視聴していました。その他、大人も含めると現地とオンライン合わせて38名の参加でした。

沢田さんは被爆当時13才。7月までは学校の授業があったそうですが、8月からは宮島方面にある軍需工場に動員されることになったそうです。しかし、材料不足で何も作らなかったそうで「人を殺すための道具を作ることが無くよかった」と話されました。8月6日は体調が悪く、家で寝ていて家の下敷きになり、這い出したそうです。「母も家の中にいて下敷きとなった。通りがかりで手伝ってくれる人もいて助け出そうとしたが、屋根が重くて助けられない。そうしている間に火が迫ってきた。『お母さん、ごめんなさい』そう言って一人で逃げた」と語られました。会場の参加者からは、「あと10年経つと、被爆者からどれだけ話が聞けるか分からない。とても貴重な体験だった」「被爆者の話は初めて聞いた。学校の友達に話したいと思った」などの感想がありました。

最後に沢田さんから「皆さんの力が発揮できる、平和な素晴らしい世界に」と語られ会は終了しました。

被爆者の平均年齢は84歳、被爆者の話を聞き、記録として残しておくこと、また語り部として被爆体験の継承をしていくことは、喫緊の課題となっています。