3・1ビキニデー集会 核禁条約締約国会議議長も参加

3月1日、ビキニデー集会がオンラインで開催されました。第1部で主催者挨拶の後、中野弘道焼津市長、日本被団協の濱住治郎さんの来賓挨拶に続いて、核兵器禁止条約第1回締約国会議の議長を務めるアレクサンダー・クレメントオーストリア大使が挨拶されました。クレメントさんは、核兵器禁止条約の規範としての有効性を強化していくことが重要。締約国会議は核兵器の非人道性を強調するチャンス。すべての国にオブサーバー参加を呼びかけているが、唯一の戦争被爆国の歴史的役割から、日本の参加は重要と話されました。

主催者報告をした千坂純さんは、68年前のビキニ事件が国民的原水爆禁止運動の源流となり、毎年の世界大会を軸に市民運動と自治体、そして各国政府や国連との共同をつくりだし、核兵器禁止条約を発効させるまでになったことに、改めて誇りと確信を持とうと呼びかけました。

第2部の文化企画の後パネル討論が行われ、野口邦和さんは、締約国会議とNPT再検討会議を目前に控え、広島・長崎の原爆被害、ビキニ、エニウェトクの核実験被害の非人道性を告発するためと、討論の趣旨を説明。そして核保有国が核兵器開発を国益のためとして、高度な軍事秘密の下に置く結果、被害はあっても隠蔽・放置され、人権・人命が軽視される。さらに被害者は、先住民族、少数民族、社会的弱者、核保有国に従属する国であることも指摘しました。

広島の黒い雨訴訟や長崎被爆地域拡大の闘い、朝鮮人被爆者の現状や未解決の課題、高知地裁でビキニ被災船員への国家賠償を求める裁判での闘い、マーシャル諸島での核実験による放射線学的な影響など報告があり、被害者がなんと長い間放置され、受忍を強いられてきたことかと改めて感じました。「核兵器は絶対悪。被害を容認させることは許せない」との被爆者の言葉が印象的でした。