連続市民講座 福島原発事故から11年事故現場は今どうなっているのか
3月12日、市民連続講座「事故の現場は今どうなっているか―福島原発事故から11年」がズームで行われました。
講師の野口邦和さんは、放射線防護学の専門家。科学者らしい冷静な目で事故処理について問題を整理し、わかりやすく話してくださいました。
汚染水発生量は540㎥(立方メートル)/日から180㎥/日にまで減らし更なる対策で100㎥/日まで減らす予定です。トリチュウムが残るアルプス処理水は、事故前の放出管理目標値(年間22兆㏃「ベクレル)以内)を守り、安全基準を満たすことを条件に国(汚染水処理対策委員会トリチウム水タクスフォース)は、海洋放出を決めました。現在730兆㏃たまっているので、30年ぐらいかかるそうです。2015年東電は、福島漁連に対して「関係者の理解なしにはいかなる処分も行わず敷地内のタンクに貯蔵する」と回答しています。野口さんは、「発電していない第2原発の敷地や敷地外の帰還困難区域を借りるなどすれば、保管場所は何とかなる。「安全」は必要条件だが十分条件ではない」と東電に、住民との約束を守り信頼関係を醸成するよう求めました。
燃料プールから燃料を取り出すのに、21年完了の予定(願望)がやっと3号機が完了したところで、更に燃料デプリ取り出しの問題もあり、廃炉工程の先は見えません。
ロシア軍がウクライナのサポロジエ原発攻撃時に火災が発生したなどを考えれば、安全な国際社会にならなければ、原発は導入できないことも指摘されました。