愛知県平和委員会定期大会 次世代に引き継ぐとりくみを

7/2 民主会館

愛知県平和委員会は7月2日、民主会館とオンラインを併用し第74回定期大会を開催しました。参加者は60人 (13組織・オンライン18人含む) が参加しました。討論は24人の方から発言がありました。

開会あいさつで小島理事長は、『「日本」ってどんな国?』を紹介しながら、人間関係が希薄・分断されているもと、つながりをつくり育みながら共感の輪を広げていく地域平和委員会の役割の重要さを強調しました。

続いて矢野事務局長が、パワポを使って活動の振り返り、県内情勢の報告などを行いました。県営名古屋空港に隣接する三菱重工小牧南工場は、F35の最終組み立てと整備を担当。国内組み立て38機のうち36機まで組み立て済み。引き続き東アジアのF35の整備拠点とされます。さらに、三菱重工小牧北工場は、12式などスタンドオフミサイルの生産を受注し、関連企業が県内にあります。岐阜県・日野射撃場で死傷事件に使われた小銃の銃身および弾薬は愛知県内で生産されています。愛知県下の軍需企業は、安保3文書の下でますます危険な存在となっており、この告発を強めていくことがよびかけられました。

討論では、とりくみの報告など参加者約半分の24人が発言。活動や思いを交流しました。

次世代への働きかけでは、中高生対策に4年間取り組むなかで、広島や沖縄へのツアーへの参加が1人2人と広がり、平ゼミの運営の土台を築きつつあることが報告され、もっとつながりを生かして働きかけを強めようとよびかけられました。青年学生部からは、ウクライナ反戦の継続したとりくみの中で、運営の担い手が1人また1人と広がるけれど、就職等で中断せざるを得ないなど、働き方など日本社会のあり方が「市民運動に対する見えない壁」となっている難しさも報告されました。天白区からは、「大丈夫です」と通りすぎる学生に「ところが大丈夫じゃないんですよ」と声をかけて対話を続けてチラシを受け取ってもらっている経験が報告されました。

各地からは、基地を見たいという声にこたえてツアーを開催(天白区)、学びの機会をと連続講座開催(千種名東)、6日に結成5年、この秋で5周年になる月1回の宣伝行動に参加者がそれぞれ訴えたいことを準備してマイクを握っている(港区)など、要求や思いを受け止め、イキイキと活動する様子が報告・交流されました。

第74回定期大会で選出された役員

理事長    小島 俊樹

副理事長   林 達也

   三浦 米吉

事務局長   矢野 創

事務局次長  坂本 敏彦  

滝田 伸幸

沖縄戦の教訓を振り返れ! 新城正男さんの発言

1号議案を深める立場で討論に参加した新城正男さんは、午前の「市民連続講座」で講師の三宅裕一郎教授が「換骨奪胎」と批判した岸田政権のやり口―法律の装いを変えることなく中身をどんどん変えていくことに、「これがどれほど恐ろしいものであるか、広く訴えていかなければならない」と、開口一番強調します。

発言する新城さん

「沖縄戦の教訓を振り返れ」―新城さんは、兵力を集中した沖縄戦で地上戦が展開されたことに、「武装した所が戦争を呼び込む」と語り、住民の4人に1人が戦争の犠牲になった沖縄戦に、「軍隊は住民を守らない」と指摘して、「自衛隊基地の強靭化は決して住民を守るものではない」と糾弾。「命どぅ宝」の精神こそが日本国憲法の平和主義・民主主義・人権を尊重することにつながっていると訴えました。

更に、今期で理事を退任する「あいさつ」でも、「日本は戦争の道を行くのか、平和国家を維持するかの選択を迫られているところにきている」と前置きして、土地強制収容の米軍に対して非暴力の抵抗でたたかった阿波根昌鴻さんの「平和の敵は無関心だ」の言葉をあげて、「戦前のようにしないために、平和委員会の役割はますます重要になっている」と述べて、発言を結ぶのです。

軍事同盟でない世界の変化! 福田秀俊さんの発言

発言する福田さん

最近グローバルサウスという言葉を耳にするようになりました。かつては世界経済全体の60%を占めていたG7が、今や40%程度まで低下し、世界の重要な課題をG7だけでは決められなくなってきたことの反映です。

また、米国は「中国は、国際秩序を再構築する意図を持ち、その目標を推進するための経済力、外交力、軍事力、技術力をますます高めている唯一の競争相手である」としています。軍事費では中国の3・3倍もある米国ですが、世界銀行が発表した2022年の購買力平価のGDP(ドルベース)によると、中国は30兆㌦で世界トップ。米国は25兆㌦で2位に甘んじています。ちなみに日本は、インドに次いで4位で日本が世界のGDPに占める割合も、1995年に17・6%から、2020年には5・3%に落ち込みました。2040年には、3・8%、2060年には3・2%にまでになると政府自身が予測しているのです。

世界は変わろうとしています。軍事同盟に依存せず、対等平等を求めています。

相手の関心にあった問いかけを気軽に 澤村さんの発言

発言する澤村さん

「議案に書き切れなかった青年・学生部の活動を補足する形で発言したい」と切り出した澤村暁世さんは、1月の「ピースエッグ2023」(オンライン)に向けたプレ企画、ロシアのウクライナ侵略への抗議行動を通じて、「なぜ平和委員会なのか」「平和委員会で何ができるか」を問いかけます。

 ロシアのウクライナ侵略開始から続けている抗議行動は、抗議行動のための市民団体(ピースフォーウクライナ)も結成。当初100人ほどの参加者も今では30人集まれば多い方ですが、それでも「一緒に活動したい」と声をかけてくる青年が団体の仲間に。青年の中でのウクライナ戦争への関心の高さが表れています。

活動の中で多くの青年と出会っていながら、なかなか平和委員会の入会に至っていません。ウクライナ問題に関心があっても、それ以外に関心があるとは限らないのです。相手の関心にあった問いかけ、気軽に日常活動のことを話しかけていくなど、そういう所から平和委員会を広めていきたいと語りました。