不安と混乱のマイナ保険証は中止を 実行委員会が署名運動を開始

他人の情報が紐づけられたり、登録が確認できず無保険扱いにされたり、「マイナ保険証」を巡るトラブルが連日のように報道され、国民の不安と混乱を招いています。にも関わらず、政府は「マイナ保険証」化をすすめ、来年秋には現行保険証を廃止するというのです。愛知県でも、保険医協会や社保協、あいち総がかり行動など6団体を中心に、「Stop!マイナ保険証一本化」の運動が始まりました。

「マイナンバー制度の拡大で国民を無視・統制する社会へ」―9月12日、イーブルなごやホールで開かれた学習会には、ZOOM視聴を含め120人以上が参加してます。「マイナ保険証 何が問題? 何が狙い?」と題して、保険医協会の日下紀生氏が「マイナ保険証」の問題点について講演しました。日下氏は、現在起きている様々なトラブルは「明白な個人情報の漏洩」と指摘します。「なりすまし防止」は暗証番号だけの認証は役立たず、他院で処方した薬剤情報の取得も1カ月半のタイムラグが発生するなど、政府のあげる「マイナ保険証のメリットの根拠が総崩れ」と批判しました。

「マイナ保険証」強行の政府の狙いについて日下氏は、データ管理による医療費の抑制、個人情報を利用して「商品」として活用するなど、背景に経済界の強い意向が働いていたことを明らかにしました。来年秋の保険証廃止を実施させない、「現行の保険証を残して」の運動が重要と訴えます。

マイナカード交付に関わって、混乱をきたしているのが行政の窓口です。マイナカード普及促進の「マイナポイント」付与で、窓口が混乱し5時間待ちの例も。視覚障がい者は、障がいの種類や程度が記載されているマイナカードが、他人に紐づけされる事態を心配します。「なぜ今のままの健康保険証ではいけないのか」―命と健康に関わる重要な問題です。最後に社保協の小松民子さんが行動提起を行いました。6団体で構成するマイナ保険証一本化反対実行委員会では、「現行保険証を残してください」請願署名の、宣伝・署名行動をよびかけています。