福島第一原発「ALPS処理水」海洋放出を考える 汚染水はなぜ増え続けるのか―終わりの見えない海洋放出

10/1 労働会館

愛労連は、10月1日労働会館で福島第一原発地質・地下水問題団体研究グループ(原発団研)副代表塩野敏昭氏を招いて講演会をおこない、会場に31人、ユーチューブの視聴者50人以上の参加がありました。

原発団研は、地質・地下水に関わる研究者・専門家など全国に40名以上の会員を有し、①東電や国などから公表される資料をチェックし、汚染水対策を監視し、問題点を明らかにし必要な提言を行う、②福島第一原発敷地と類似した地質条件を有する南相馬市などで地質・地下水に関する現地調査を行い、その結果を汚染水問題の検討・解決のために役立たせる、などの活動をしています。塩野氏は、福島第一原発は、水に浮かぶ「砂上の楼閣」、凍土遮水壁は「すだれ」と表し、東電の汚染水対策は、限定的だと指摘します。原発団研は、周辺の地表・地質調査から原発敷地の地質の詳細を観察し、抜本的な汚染水対策として、地中連続壁を用いた地下ダム工事などで実績のある「広域遮水壁」、また地すべり対策として「集水井」の建設を提案しています。東電は、この提案を効果がないと評価しましたが、このことに対しても原発団研は、具体的な事実を示して科学的でないと批判しています。

塩野氏は、東電発表の地下水・雨水の建屋流入量でも、雨の多い時期は目標の150㎥を超えている。汚染水の発生量を削減しなければ「終わりは見えない」。直ちに原発団研の提案を真剣に検討すべきだと訴えました。