平和連続市民講座 子どもたちの命と権利を保障する社会を

3/9 民主会館

「現在の配置基準では子どもたちを守れない」―3月9日に開かれた2023年度最後の平和連続市民講座は、「子どもたちにもう1人保育士を!」と題して、子どもたちにもう1人保育士を実行委員会事務局の田境(たきょう)敦氏が、保育現場の現状と運動について講演しました。

日本の保育士配置基準は、0歳児3人に保育士1人、2歳児6人に1人、3歳児ともなると20人に対して1人、4歳児・5歳児では子ども30人に1人という状況です。田境氏はイラストを映しながら、保育現場の実情を説明します。保育士不足の現場に、国は常勤保育士を短時間保育士に置き換える規制緩和措置です。田境氏は、「つぎはぎ保育」と糾弾します。八割の保育士が不安を感じ、「やりがいはある」が、「やめたい」人も多いのが実態です。

子どもたちを預ける保護者の側にも不安が募ります。コロナ禍で少数保育が現実のものとなって、保育士も保護者も「配置基準の呪い」を解かれるのです。愛知から全国へ、「子どもたちにもう1人保育士を!」の運動が広がります。政府をはじめ各政党への要請に、マスメディアも問題をとりあげるようになりました。田境氏はこの運動の広がりを「保育士不足の面だけでなく、子どもたちの命と権利を保障する社会を創る運動として捉えたこと」と語ります。

この日の講座に、田境氏が勤める保育所に通っていたという大学生と高校生の女性が、「田境先生の話を聴きたい」とネットで調べて参加、10年ぶりの再会に会場は感動の場となりました。「将来は保育行政に携わりたい」という大学生の話に、感激の田境氏でした。