ガザ、ウクライナ 核戦争を止めるため 被爆80年に向けた平和行進の成功を
「平和行進」は、1958年6月20日に最初に取り組まれて以来、67回目となります。今年まで途切れる事なく取り組まれ、参加地域、参加者数、いずれも日本(愛知)では最大の草の根反核平和運動であり、全国をつなぐ平和行進として実施される国民平和大行進です。
愛知では、かつて市民生協を中心として取り組んだ市民平和行進と国民平和大行進を統一して結び、一緒に歩くためにできた「あいち平和行進共同連絡会」(1995年スタート)が母体となり、「あいち平和行進」(2001年~)として全国の平和行進の一環として県内を歩いてきています。
ガザ問題で多大な犠牲が生まれています。イスラエルの軍事による被害が止まる様相にない事態となっているなか、ガザ問題での国連安保理で決議が安保理事国15か国のうち米国を除く14か国の賛成で3月25日採択されました。米国は棄権するものの、拒否権を行使できず、批判の声が日を追うごとに大きく広がっています。一刻も早く止めさせなければなりません。ロシアによるウクライナ侵略も同様で、一日も早くやめさせなければなりません。繰り返し持ち出される両国の「核脅迫」論をはね返す重要性が増しています。岸田首相は米国訪問し、共同声明で大軍拡を「歓迎!」と評しつつ、日米で指揮統制連携を強化、先制攻撃体制下に入ることが盛り込まれました。ロシアのウクライナ軍事侵攻と、中国、北朝鮮の軍事的強化を利用した大軍拡・大増税路線に対し、草の根からの世論で包囲する行動として、極めて重要な意義を持つ平和行進になろうとしています。
核兵器禁止条約第2回締約国会議の成功が示すように、核兵器禁止条約は、核の使用・威嚇の手を縛り、未来を切り開く大きな力を発揮しているのです。日本政府が禁止条約締約国会議に、オブザーバー参加さえしないもと、その重要性を広げる行進でもあります。
被爆80周年(2025年)へ向けた平和行進を、核兵器廃絶の大きな流れをつくる運動として位置づけ、力を結集して取り組みましょう。
歌う全国通し行進者 大村美恵さん
義父の無念とめるちゃんへの思いとともに
2024年国民平和大行進の日程・コース、全国通し行進者が発表されました。東京―広島コースには、愛知県から大村美恵さん(JMITU通信産業本部推薦)が参加します。愛知県からの全国通し行進者は20年ぶりです。
「自分を表現するのに、歌ほど最適なものはない」―大村さんは、義父が長崎の入市被爆者で夫は被爆2世という面とともに、うたごえの一員でありシャンソン歌手としての一面を持っています。「全国通し行進者として、折角全国をまわるのだから、平和コンサートができたら素敵」と、5月5日・東京、6月9日・名古屋、7月9日・神戸など、行く先々でのコンサートを模索中です。4月7日には、そのスタートともいうべき「反核平和コンサート」を、名古屋・矢場町、アートピア第1スタジオで開催しました。
大村さんはそのコンサートの中で、無脳症で生まれ、3時間しか生きられなかった息子への思いを切々と語るのです。お腹の中にいた頃から「めるちゃん」と呼んでいた息子は、被爆2世である父親の「被爆の話」で放射能被害の証人として語られます。その息子の存在を、大村さんは「あなたは私のプライドです」と。
大村さんは、昨年の「あいち平和行進」を県内通し行進者として歩く中で、全国通し行進者の村上厚子さんに、大きく影響を受けたといいます。同時に彼女を突き動かしたのは、原爆投下直後に長崎市内に「残務整理」のために入り、図らずも被爆者になった義父の無念と、たった3時間しか生きられなかった息子への思いではないでしょうか。
5月6日に東京・夢の島をスタートし、8月4日の広島・平和公園到着をめざす大村さんは、「歌う全国通し行進者」として行く先々でその歌声を響かせることでしょう。私たちは、91日間にわたる全国通し行進を財政面で支えるとともに、4月27日の「あいち平和行進出発集会」、6月9日の「歌う大交流会」をはじめ、県内各地で彼女を大いに元気づけたいと思います。