原発 だまっちゃおれん訴訟愛知・岐阜 7月11日結審 裁判所を「人間の鎖」で
6月11日、ウインクあいちで、だまっちゃおれん訴訟 控訴審結審前集会「原発事故と政治と憲法と」がおこなわれ、京都精華大学国際文化学部准教授・白井聡さんが「原子力帝国ニッポンの闇」と題して講演をしました。
2010年、辺野古新基地を「最低でも県外」と言ってきた当時の鳩山首相が)は退陣においこまれました。報道は鳩山氏の個人的な資質を問題にしましたが白井さんは、選挙公約よりアメリカとの約束を優先せざるをえない日本の現実から、目をそらすための報道であり同じようなことが度々あったと感じ「永続敗戦論」を著したと紹介しました。
戦争遂行に反対だったが言える雰囲気ではなかったと責任をとらず、終戦前の一年の間に空襲や原爆、沖縄戦があり、戦死者300万人中の200万人が亡くなっていて、早く敗戦の決断を下せば犠牲者も減ったが、誰も決断できませんでした。アメリカと戦って敗北し、アメリカが天皇に戦争責任はないとして、天皇制を残したのは支配しやすいからなのに、それを好意、日本の心を理解したからととらえ、支配する国の桁違いの暴力としてのアメリに目をそむけ、文化的な面に魅了され、アメリカの良いところしか見ようとしません。
原発についても無責任な体質は変わらず、原発はいやだと思うけどそのままにして、一切の合理的批判を押しのけて進められました。原発事故では、燃料プールに水が満たされていたので、使用済み燃料が溶けだすことは避けられました。これはたまたまラッキーが重なったからで、それがなかったらもっと怖い現実がおきていましたが、そのことはひた隠しにされています。
国家とは人間が作る組織体であり、人々がどういう考え方を持ち、何を欲しているかで変わるもの。そこを変えないと国はどうなってしまうのか?と白井さんは問いかけます。反対の意見には耳を傾けず、悪法がどんどん国会を通過してしまった現実を前に、原発事故の責任を国にとらせることの重要性を感じました。