原水爆禁止2013年世界大会-長崎決議 長崎からのよびかけ

私の顔や手をよく見てください。よく見てください。世界の人々、そしてこれから生まれてくる人々、子どもたちに、私たちのようにこのような被爆者に、核兵器による死と苦しみをたとえ1人たりとも許してはならないのであります―

(山口仙二 1982年第2回国連軍縮特別総会での演説より)

 アメリカによる長崎への原爆投下から68年がたちました。
多くの被爆者が、自らの苦しみを通じて核兵器の残虐性を伝え、「核兵器をなくせ」と訴えつづけてきました。その声は世界に響きわたり、核兵器廃絶を求める世論と運動を築きあげてきました。
いま各国政府の間に、核兵器の非人道性を告発し、その禁止を求める流れが急速にひろがっています。2010年核不拡散条約(NPT)再検討会議の「核兵器のない世界」への合意の実行をせまる新たな動きです。
被爆者とともに歩んできた私たちは、被爆の実相をさらにひろげ、この流れをいっそう強めて、「核兵器のない世界」への道を切り拓く決意です。
被爆70年であり、NPT再検討会議が開催される2015年にむけ、核兵器禁止条約の交渉開始を求める世論と運動の巨大なうねりをつくりだしましょう。

 300万筆を超えてひろがる「核兵器全面禁止のアピール」国際署名の運動を、地域ぐるみ、職場ぐるみの取りくみでさらに発展させましょう。秋の国連総会や来春のNPT再検討会議準備委員会などを節目として、国連本部に署名の山を積み上げましょう。ソーシャルメディアも活用し、平和行進などの多様な行動を草の根からひろげましょう。国連や諸国政府、平和市長会議をはじめとする自治体との共同を強めましょう。
「原爆展」や被爆体験を語る集いなどの取りくみを強め、被爆の実相を広範な人びとに伝えましょう。原爆被害の過小評価を許さず、原爆症認定制度の抜本的改善と国家補償を求めて、被爆者への援護・連帯を強めましょう。被爆二世・三世とともに、被爆体験を若い世代へと継承する取りくみを発展させましょう。
核兵器の非人道性を告発し、その禁止を求める共同声明への参加を拒否した日本政府への批判をひろげ、非核三原則の厳守とアメリカの「核の傘」からの離脱、被爆国にふさわしい役割の発揮を強く求めましょう。

 ヒロシマ・ナガサキをくり返すなの決意がこめられた憲法第9条を守り生かす運動を大きく発展させましょう。沖縄はじめ米軍基地の縮小・撤去を求める運動、集団的自衛権の行使など日米軍事同盟の強化に反対するたたかいをさらに強めましょう。軍事費の削減、福祉の向上、くらしと雇用の改善、地球環境保護などを求める人びととの連帯を大きくひろげましょう。
「核の被害者をつくらせない」の願いをひとつに、原発の再稼働と輸出に反対し、原発からの脱却と自然エネルギーへの転換を求める運動との共同をいっそう強めましょう。核兵器と原発との危険な関係や放射線被害の実態について学び、知らせましょう。

 被爆者とともに、若い世代とともに、いまこそ「核兵器ない世界」の扉をひらきましょう。
ノーモア・ナガサキ! ノーモア・ヒロシマ! ノーモア・ヒバクシャ!
長崎を最後の被爆地に―

2013年8月9日
原水爆禁止2013年世界大会-長崎


日本原水協ウェブサイトより転載