安保法制違憲訴訟 人間の尊厳が国家に縛られていいのか
9月20日名古屋地裁で「安保法制違憲国家賠償請求事件」の裁判がありました。
最初に中川弁護士が安保法制による「人格権」侵害について、次に安保法制の違憲性について総論を伊藤弁護士が、各論を松本弁護士が陳述しました。個人の尊厳を基盤に、平穏な日常生活や社会生活を送ることが困難になるおそれに対して、人格権保護を主張し学説・判例とも広範な発展をみせている。「人格権」は法的に保護されるべき具体的権利・利益であるとして、安保法制により戦争に巻き込まれる不安が高まり、「人格権」が侵害されていることを主張しました。
原告として陳述した元裁判官の猪瀬俊夫氏は、恵庭事件や川内原発訴訟、もんじゅ訴訟も担当した。審理を通じて考え続けた問題は「人間の尊厳が国家の枠組の中で縛られ譲歩を迫られるべきものかということ」と語り、安保法制は、政府の判断一つで現実の戦争に導きかねない危険を孕むもの、という現実を直視するように求めました。
続いて陳述した元高校教師の見崎徳弘氏は、夜間定時制で教えた生徒の中に守山駐屯地から通う自衛隊員がいた。「戦争なんかおこらないから大丈夫」と言っていが、PKO等協力法で自衛隊のカンボジア派遣が決まり不安を口にした。その子たちがまだ自衛隊にいて、場合によっては紛争地域に行かされるかもしれないと思うと、いてもたってもいられないと訴えました。
裁判後の報告集会で、国は被害がないから違憲判断はしなくていいという立場。自分の言葉で被害を語っていこうと呼びかけがありました。