安保法制違憲訴訟始まる 裁判官には憲法判断する権利と義務
「平和的生存権は、戦争の被害者となることも、戦争行為に加担することも拒否し、みずからの平和的確信に基づいて生きる権利です」―原告、サポーター、市民らで溢れた名古屋地裁大法廷に、意見陳述人の声が響きます。12月19日、安保法制違憲国家賠償請求訴訟の第1回口頭弁論が行われました。120部用意された資料が足りない状況に、参加者の数は推して知るべしです。
訴訟の目的と訴訟の要旨が原告代理人弁護団から読み上げられた後、代理人の寺井一弘、青山邦夫両弁護士、原告で元自衛隊員の水上学さん、大学講師の寺田誠知さん、元裁判官で原告団共同代表の下澤悦夫さんが、それぞれ意見陳述を行いました。熱のこもった陳述が終わる毎に起こる拍手に廷吏が制止をしますが、傍聴席は最後まで拍手を送ります。廷吏の制止も最後にはなくなりました。
法廷で明らかにされたのが、原告側が事実に基づいて書き上げた訴状に対して、被告である国側が「原告の意見・評価であって、認否はしない」と答弁書で述べていることです。下澤さんの「裁判官には、安保法制の憲法判断をする権利と義務がある」との陳述が、裁判官に迫ります。次回法廷は、2月15日の予定です。