青年・学生部「若者100人に聞く!憲法アンケート」 若者に戦争への危機感が広がっている

アンケートの様子 5/3 名古屋駅

アンケートの様子 5/3 名古屋駅

日本国憲法施行から67年目の今年5月3日、県平和委員会青年・学生部は、名古屋駅ななちゃん人形付近で、「若者100人に聞く!憲法アンケート」を実施しました。若者が憲法についてどう考えているのかの意識調査をするために毎年恒例で行っており、今回で19回目となります。今年は、例年行っている憲法についての問いに加え、国会での解釈改憲の動きを踏まえて集団的自衛権についても問う項目を設けました。

道行く若者100人に13名で手分けして声かけを行い、アンケートに答えてもらいました。回答者の内訳は12~46歳で平均年齢は19歳でした。

◆回答者の年齢構成◆

◆回答者の年齢構成◆

『憲法は変えるべきか』という問いに対しては、「変えるべきでない」が32人、「変えるべき」が14人、「わからない」が54人。改憲に賛成する人に理由を聞いたところ、「時代に即したものではない」といった答えが挙がり、改憲に反対する人からは、「戦争が起こってしまう」「現状でも十分」という理由が挙げられました。例年では、賛成反対がほぼ同数か賛成が上回る程度でしたが、今年は圧倒的に反対の比率が多く、反対する理由として改憲が戦争につながるというイメージの回答が多かったことから、解釈改憲や集団的自衛権など憲法9条に関わる話題が増え、戦争への危機感から、改憲=憲法九条改憲と結びつけ、改憲反対の意見が増えたのではないかと考えられます。

◆憲法を変えるべきだと思いますか?

◆憲法を変えるべきだと思いますか?

『9条は変えるべきか?』という問いには、「変えるべき」が10人に対し、「変えるべきではない」が46人。「変えるべきではない」と答えた人からは「戦争したくない」「平和が一番だから」といった理由が挙げられた一方、「変えるべき」と答えた人からは「攻撃されたとき困るから」といった理由が聞かれました。また、『9条第2項についてどう思う?』との問いには、「変えるべき」が18人、「変えるべきではない」が49人。「変えるべき」という人からは「非常時に備えて」や「他国から守る必要がある」といった理由が挙げられ、「変えるべきではない」という人からは「戦争につながる」などの意見が多く聞かれました。

◆憲法9条を変えるべきだと思いますか?

◆憲法9条を変えるべきだと思いますか?

中には、「第2項によって各国の信頼があったと考えられる」「変えると他国が反応して争いが起こる」といった意見を挙げて、「変えるべきではない」と答えた人もいました。憲法9条に関しては例年通り変えるべきではないという意見が多く、日本の若者の中に、「戦争反対」、「9条のおかげで平和が守られている」という意識が根付いていることがうかがえます。

 

 

◆集団的自衛権を知っていますか?

◆集団的自衛権を知っていますか?

『集団的自衛権を知っていますか?』という問いには、「知っている」49人、「知らない」51人。また、『日本が攻撃されていなくても海外で同盟国(アメリカなど)の戦争に参加することについてどう思いますか?』と集団的自衛権の行使をするべきかについても聞いたところ、「参加するべき」21人、「参加するべきでない」77人と、行使すべきでないが圧倒的多数となりました。「参加するべき」とした人からは「同盟を組んでいる以上助けるべき」「ギブ&テイク」といった理由が聞かれた一方、「参加するべきでない」とした人からは、「日本が戦争に巻き込まれる」「人が死ぬのが嫌だから」といった理由が挙げられました。集団的自衛権が半数程度の人に知られていることから、世論の関心が徐々に高まっていることを感じ取ることができました。しかしまだ、半数が集団的自衛権のことを知らない中で解釈改憲を強行するのは許されないと思います。また、集団的自衛権行使により他国での戦争に参加するべきではないと考えている人が圧倒的に多いことやその理由から、若者が、日本が戦争に巻き込まれることを危惧していることを読み取ることができました。

◆海外で同盟国の戦争に参加することについてどう思いますか?

◆海外で同盟国の戦争に参加することについてどう思いますか?

若者にとって憲法について改めて考えるきっかけとなるこの取り組みの持つ意味は小さくないと考えています。今後は、集団的自衛権の内容も知らせ、国民的議論を深めていきたいと思います。

(青年・学生部)