朝鮮高校生就学支援金不支給違憲訴訟 民族教育の自由を侵害してはいけない

去る11月7日、朝鮮高校生就学支援金不支給違憲訴訟の第20回口頭弁論が開かれました。いわゆる「高校無償化」から、朝鮮学校の生徒を除外することが決定されてから4年近くが経ちましたが、今年3月には河村たかし市長が、朝鮮の核実験などを理由に、朝鮮学校への補助金予算の一部停止を決めるなど、名古屋でも差別的な動きが出てきています。国が政治と教育を結びつけて、「国民の理解が得られない」ことをたてに朝鮮学校の生徒を差別した弊害がこんなところにも現れています。

しかし、裁判では、国は、拉致事件などの政治的な理由で朝鮮学校を除外したのではなく、朝鮮学校は、北朝鮮・朝鮮総聯に不当な支配を受けている可能性があり、教育基本法に違反しているかもしれないからだと主張しています。自民党の野党時代の朝鮮学校排除を目指した言動については、「あくまで野党時代のもので政府の行為とは関係ない」という態度です。原告は、不当な支配がないことはもちろん、母国や民族団体の支援で民族教育を行っている外国人学校に対して、その結びつき自体を問題視することがいかに民族教育の自由を侵害するものであるかを訴え、日本教育法学会会長の成嶋隆教授の意見書を提出しました。今回の裁判では被告の反論が提出されるはずでしたが、間に合わなかったとのことで次回に持ち越しになりました。被告の主張内容は日本のマイノリティ教育の自由自体に踏み込むもので、次回1月16日、どんな反論がなされるかも要注目です。是非、傍聴にお越しください。