被爆者支援ネットワーク総会 受忍論をのりこえて

9/27 本山生協会館

9月27日、本山の生協生活文化会館であいち被爆者支援ネットワーク2020年総会が行われました。

はじめに、コープあいちの竹本さんから開会のあいさつがあり、コロナ禍でもピースのぬり絵や平和川柳に取り組み、1歳から99歳まで参加があったことを紹介されました。

次に、ノーモアヒバクシャ訴訟弁護団の樽井弁護士から報告があり、最高裁の不当判決について、「これまで被爆者が裁判で闘い、原爆症と認定される被爆者を増やしてきたが、今度は『要医療性』の要件を厳格にすることで抑制を図ろうとした。最高裁は、このような行政の運用を無理な理論で追認した」とし、「日本政府の原爆による被害を小さく見せようとする態度が、核兵器禁止条約や廃絶へと向かう国際世論に対抗する態度につながっている。変えるためにも被爆の実態に目を向けさせることが必要」と語られました。

支援ネット事務局長の長尾さんからは、金山駅でのパネル展や被爆者行脚の支援など被爆者を支え、被爆の実相を広げる活動の報告がありました。
一橋大学名誉教授の濱谷正晴さんの記念講演では、はじめに「被爆者援護法」の成立を受け1994年に開かれた日本被団協の緊急全国代表者会議のDVD上映がありました。会議での議論を通して、被爆者が「国の戦争責任」をはっきりとさせるため国家補償を求め闘ってきた歴史を知ることができました。戦争ではみんなが被害にあったのだからみんな我慢するべきだとする「受忍論」について濱谷さんは、「受忍」とは国家が国民に戦争がもたらす被害を我慢させる思想・仕組みであり、「こんな仕組みをつきくずし、つくりかえなければいけない。それは国民ができる平和構築だ」と語られました。