日進市発:わがまちの平和ゼミ 市内在住の『在日朝鮮人』の女性のお話

9月18日、日進市平和委員会の呼びかけでわがまちの平和ゼミとして「『在日』として生きる私の思い」を開催しました。お話をしていただいたのは1972年生まれで日進市在住、在日3世の朝鮮人女性の蔡(チェ)さんです。

最初に自己紹介として蔡家の歴史が語られました。祖父母が朝鮮から来日し、父母は日本で生まれ岐阜県で事業を営んでいるとのこと。幼稚園から小中学校は岐阜県内の朝鮮学校に通い、高校は愛知県豊明市の朝鮮学校に長時間通学したそうです。大学も東京の立川の全寮制の朝鮮学校を卒業しました。その後朝鮮総連の愛知県本部の勤務を経て朝鮮学校の教師を11年間、今は自宅でハングル講座を主宰し、主に個人レッスンをしています。差別の実態として朝鮮学校卒では大学受験資格がなかった時代があったり、朝鮮学校の通学定期も学割がなく、日本の高校無償化の対象外となっているなど指摘されました。蔡さんは日本人と結婚するとき両親に反対されたそうです。そのような体験を経て、蔡さんはどんな国にも、どんな時代にもいい人もいれば悪い人もいる、直接交流し相互理解を深めよう、その基礎として歴史教育が大切と話を結びました。

そのあと、参加者からの感想、意見など交流しました。妹が在日朝鮮人と結婚したが自分は周りの人に言えなかったとか、海外経験が長い参加者から、外国では積極的に外国人を受け入れて発展しているので差別は社会の損失などの発言がありました。また朝鮮学校の教育についても質問があり、蔡さんはキリスト教系とか仏教系とかの学校があるように建学の精神はどの学校にもある、それと同じと答えていました。

「なぜ、帰化しないの」という質問に、蔡さんから「なぜ、帰化しなければいけないの」と問題提起があり考えさせられました。11名の参加者は蔡さんの近所の方が中心で相互理解を深める一歩になりました。