青年・学生部「若者憲法アンケート」
9条2項「変えるべきでない」が「変える」を大きく上回る
愛知県平和委員会青年・学生部は、名古屋駅ナナちゃん人形付近にて毎年行っている「若者憲法アンケート」を実施しました。道行く若者は憲法についてどう考えているのか、意識調査を行うものです。1993年に第1回目を行い、今年で26回目を数えます。
例年は2~3時間かけて約100人から回答してもらいますが、今年は新型コロナウイルスの影響で人通りが少なかったため、32人に留まりました。内訳は15~46歳で、平均年齢は20・9歳でした。
【結果・考察】
Q1 憲法についてどう思うか?
「変えるべき(以下、どちらかといえばを含む)」が6(18・8%)、「変えるべきではない(以下、どちらかといえばを含む)」が9(28・1%)、わからないが17(53・1%)という結果でした。
変えるべきとした人の中で、どこを変えたいかを問うと「人権の法」「お金の動き」などがありました。一方、変えるべきでないとした人の意見は「今ので満足しているから」「今のままでも普通に暮らしているから」という意見がありました。
Q2 9条についてどう思うか?
「変えるべき」は5(15・6%)。対して「変えるべきではない」は15(46・9%)と変えるべきでないが大幅に上回りました。わからないは12(37・5%)でした。
変えるべきでない理由として「戦争はよくない」などの意見が聞かれました。変えるべきとした人の意見は「現実に即していないから」「武力行使が可能であると確定させるため」などがありました。
Q3 9条第2項についてどう思うか?
「変えるべき」4(12・5%)、「変えるべきでない」13(40・6%)、わからない15(46・9%)という結果でした。
変えるべきとした人は「現実に即していないから」との意見がありました。変えるべきでないとした人は「平和を維持するべき」との意見がありました。
Q4生活の中で、今困っていることや不安に思っていることは何ですか?
この問いには、「パン屋でコロナ対策が大変です。」「アルコール等の寄付などをして欲しい」「行きたいところに行けない」など新型コロナウイルス感染拡大やその対応策への不満や不安の声が多く聞かれました。
Q5平和のためにできることがあったらやりたいですか?
「積極的にやりたい」「少しくらいならやりたい」が合わせて96・9%あり、ほとんどの若者が平和のとりくみに関心があることが分かりました。
回答より、Q1、Q2、Q3に関しては、回答数が例年よりも少ないものの、若者の改憲に対する意識はあまり変わりませんでした。
日本の若者の中に「戦争はよくない」というイメージが浸透しており、9条を変えると戦争につながるという、戦争への危機感を感じている人が多いのではないかと思います。
菅政権は連休明けに国民投票法改正案の採決をし、改憲をすすめようとしていますが、アンケートを通じて、これからの社会を生きる若者からは、改憲の必要性は聞かれませんでした。
平和委員会青年・学生部として、平和を望む若者と一緒に、今回の結果で示されたような若者の声を社会に届けていこうと思います。