国・東電は真摯に実態に向き合え 黙っちゃおれん訴訟愛知・岐阜
9月13日、名古屋高等裁判所で、原発事故人権侵害訴訟愛知・岐阜(だまっちゃおれん訴訟)の第9回口頭弁論が行われました。原発事故の賠償を請求する裁判は、全国で30ほどありますが、名古屋では、愛知県と岐阜県に避難した福島県民が原告となって裁判を闘っています。この日は真夏のような暑さのなか、愛知・岐阜・三重から80名ほどの傍聴者が集まり、法廷を埋めました。
今年6月17日に、同種の裁判(群馬、千葉、愛媛、生業の4訴訟)の最高裁判決が出ました。判決は、国の法的責任を認めないという驚きの結果でした。この判決結果をうけて、名古屋高裁でもすぐに結審とされてしまうのではないかという危惧を抱きながら、原告・弁護士・支援者は寝る間も惜しんで急ピッチで訴訟準備に取り組んできました。
この日の弁論では、最高裁判決にたいする批判(責任論)、「被ばくを避ける権利」の侵害(損害論)、そして、原告の高校生(事故当時5歳)の陳述が行われました。
「被ばくを避ける権利」の弁論では、住民が被った「初期被ばく」が充分に調査されなかったこと、内部被ばくによる被害が無視されてきたことが、述べられました。そして、広島の「黒い雨」訴訟の判決文に照らして、測定の困難な内部被ばくについては、被ばく線量の多寡を問うことなく健康被害の可能性を認めるべきである、と主張しました。幼少期に放射線被ばくを経験した人々の健康不安にたいして、国・東電は真摯に向き合うべきなのです。
10月1日の総会では、「黒い雨」訴訟の牧野一見さんを招いて、講演会を開催します。ぜひ足をお運びください。