平和行進で北海道を歩く 北の大地でもたたかう仲間たちが
北の荒々しい波が打ち寄せる納沙布岬。国民平和大行進北海道―東京・根室コースの出発地は、北海道の最東端。天気のいい日には歯舞群島が見えるそうで、貝殻島と名付けられた一番近い岩礁まで1・7キロ。その真ん中がいわゆる「国境」で、昆布のいい漁場ですが拿捕の危険がつきまといます。ロシアと向き合う緊張の地からの平和行進に参加してきました。
5月6日、出発集会の開かれた納沙布岬の何と寒いこと、集まってくる人々は皆冬装束です。「一刻も早い、平和と安心の漁場を」―地元共産党議員団長の連帯あいさつに、「国境の町」の厳しい現実を感じさせます。集会後には場所を根室市役所前に移して、平和行進のスタートです。シャッターの閉まっている店が多く人通りも少ない中、出会った人たちは手を振るなど概ねいい反応でした。
北海道の平和行進の特徴は、車移動での自治体訪問です。参加した4日間に訪れた自治体は3市9町。「道東の平和行進は1日に300キロ移動する」と以前に聞いたことがありますが、行けども走れども牧草地の北海道の広さを体感しました。町内に自衛隊駐屯地を抱える釧路町では「自衛隊が機能維持から機能強化へ変化している今、署名できない」と署名拒否をされましたが、行く先々、商工会、農協を含め、ペナントや協力金で、賛同の意思を示されるのは、地元の運動の積み重ねの成果だと感じました。
今回の根室参加のもう一つの目的は、別海、厚岸、浜中の3町にまたがる1万7000ヘクタールに及ぶ陸上自衛隊矢臼別演習場の一角で、国の追い出しに立ち向かうかつての川瀬牧場を預かる矢臼別平和委員会訪問でした。そこには、単身移住してでも先輩たちの残したたたかいの場を守りがんばる仲間たちがいました。