市民講座「豊川海軍工廠跡地保存の現状と課題」

11月9日「豊川海軍工廠跡地保存の現状と課題」と題して豊川高校の教員であり、豊川海軍工廠跡地保存をすすめる会会長の伊藤泰正さんに講演をしていただきました。

豊川海軍工廠は海軍使用の弾丸や光学機器などを製造、最盛期には5万6千名の従業員が働いていました。1945年8月7日の10:13~10:29の米軍機による大空襲で2700名を超える犠牲者と多数の負傷者を出しました。その中には、学徒動員の豊川高校(旧制豊川中学)生6名もいて、8月7日は全員登校で慰霊式をしています。慰霊式を意義あるものにするために、体験者の話を聞くなどの学習をしていて、その中で、遺体の仮埋葬を若い従業員や同級生がしていたことが明らかになりました。

豊川市と市教育委員会が主導して、海軍工廠跡地を公園化するための建設委員会が発足し、伊藤さんも「すすめる会」を代表して委員として参加しました。検討の結果、保存するエリアを2㌶から3㌶に拡大し、エリア外にある工廠当時の物はできるだけ公園内に移設して保存する、来園者の学習をサポートする平和交流館の建設をすることになりました。そして、ガイドボランティア要請し語り継ぎの仕組みをつくり、70名のボランティア登録があり開園時には常駐しています。

伊藤さんは、戦跡を保存し語り継いでいくために行政との信頼関係をつくり、市民の思いを理解してもらうという事が重要と言います。公園には市内の全ての小学6年生が見学に来ます。