2025年10月に愛知で開催される日本平和大会を、広汎な労組・民主団体との連携で成功させましょう!
愛知県平和委員会理事長 小島 俊樹
新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
2024年は、ウクライナでもガザでも戦争が続くなか、ますます戦禍は拡大し、一歩間違えば世界大戦を引き起こしかねない危険な国際情勢となる1年でした。そして、アメリカはこうした危険な情勢を平和的に解決する努力をするどころか、国連の安保理では拒否権を乱発し、同盟国とともに大量の武器支援を行い、2つの戦争を継続・拡大させてきました。
そのアメリカに最も忠実に従ったのは日本でした。岸田前政権は、アメリカの要請で軍事費を倍増する方針を決めましたが、その金額は完成時にはロシアを抜き世界第3位となるものです。憲法9条で平和主義を国是としているはずの国が、世界でも有数の軍事大国へと変貌しようとしています。そして、巨大化した自衛隊の戦力は、日本政府の統制を離れ、米軍の指揮系統で行動するシステムに組み込まれる危険な状態に陥っています。さらには、1月から再び米大統領に就任するトランプ氏は「自国第一主義」を掲げていますから、自衛隊が米軍の指揮下でアメリカのために戦争をするという危険が一層高まるのです。
しかし、必ずしも国際情勢は危険な方向へ一方的に流れているわけではありません。それを阻止すべく立ちはだかった民衆の闘いの存在も、大きく感じられる1年でした。その象徴ともいえるのが、日本被団協のノーベル平和賞の受賞でした。「ノーモアヒロシマ、ナガサキ」を合言葉に、核兵器のない世界を求める息の長い闘いが、世界から賞賛されました。特に、核兵器禁止条約の締結から署名・批准をする国の広がりの原動力となってきました。また、隣国の韓国でも、現職大統領が非常事態宣言を利用して引き起こした軍事クーデターを、民衆が決起し身体を張って阻止しました。
日本でも先の総選挙で、自公政権は裏金問題や物価高の経済問題への国民的批判を受け、衆議院での議席を大幅に減らし、少数与党に転落しました。これにより、世論を無視して改憲策動などを推進することは、とても困難な状況になっていると思えます。
もっとも、いつ維新の会や国民民主党などが自民党にすり寄り、その補完勢力に成り下がるかわかりません。それを阻止するには、今まで以上に広汎な人々と連携して平和運動を盛り上げていかなければなりません。
前回の総選挙では、裏金問題や物価高の経済問題が争点となり、邁進している大軍拡については、十分な争点となりませんでした。その反省のもと、今年の参議院選挙では、ぜひ大きな争点に引き上げていきたいのです。そのためには、今まで以上に地域から平和運動を取り組んでいく必要があります。10月に愛知で開催される日本平和大会がその絶好の機会です。この大会を大勢の人の参加で成功させるため、愛知県平和委員会が中心となり、平和課題での闘いで労組・民主団体との連携を強めていきましょう。