福島原発刑事裁判報告 原発に依存しない社会を

1/24 イーブル名古屋

1月24日、イーブル名古屋で「福島原発事故刑事裁判報告の集い~東京電力旧経営陣が無罪でいいのか」が開催されました。

最初に、福島原発告訴団団長の武藤類子さんが刑事裁判の経緯を話しました。2012年6月に福島県民1324人が、東電経営陣や政府関係者を業務上過失致死傷罪などで刑事告訴しました。検察庁は二度にわたり全員を不起訴としますが、2015年、市民による検察審査会が東電元経営陣3名の強制起訴を決定し、刑事裁判が始まりました。しかし、東京地裁、東京高裁とも無罪判決。2025年3月には最高裁が上告を棄却し、裁判が終結したのです。

「裁判をすすめる中で、東京電力の経営陣が地震被害を予見しながらも経営悪化を恐れて津波対策をとらなかった事実が明白になりました。未だに事故は収束せず、戻れない人が6万人もいます。事故の真実が明らかになっていないにもかかわらず、国は原発の再稼働を進めています。裁判は行政に忖度した不当な判決を出しました。再び同じような悲劇をくり返さないために、真の被害者救済につなげるために、この決定の不当さをしっかりと共有し、ここから私たちが何をなすべきかを一緒に考えていきたいと思います。」

次に、福島原発刑事訴訟被害者代理人の海渡雄一弁護士が裁判の争点を詳しく説明しました。地震調査研究推進本部の出した「長期評価」では、M8・2程度の津波地震が起こりうるとされ、東京電力も巨大津波をシミュレートし、対策工事の計画もできていましたが、幹部が握りつぶしたのです。他の原発は津波対策をしていることも知っていました。つまり、予見可能性は十分に立証されたのです。それでも裁判では、「長期評価の信頼性は低く、切迫感がなかった」とされ、無罪判決が出されました。

海渡弁護士はまた、先日発覚した浜岡原発のデータねつ造についても具体的な資料を示し、「内部告発があったにもかかわらず中電が『問題なし』と判断したこと、故意に発表を遅らせていることも含め、非常に悪質。原子力ムラの退廃は行き着くところまで行っている」と糾弾しました。さらに、「福島では子ども甲状腺がんが300人を超え裁判になっているが、国と東電は原発事故との因果関係を認めようとしない。海底が大きく隆起した能登半島地震を見てもわかるように、今や日本周辺は大きな地殻変動が頻発する時期にはいっていると考えられ、いつ災害が起こるかわからない。福島原発事故を忘れてはならない」と締めくくりました。

最後に、この集会を準備した「だまっちゃおれん!原発事故人権侵害訴訟・愛知岐阜」から、「昨日、最高裁が上告を棄却したという連絡が届いた。裁判は終わってしまったが、ここであきらめるわけにはいかない。3月11日に集会とデモを行うので、参加をお願いしたい」と訴えがありました。