自衛隊機墜落 小牧基地に申し入れ

5/15 小牧基地

航空自衛隊T4練習機が5月14日、犬山市の入鹿池に墜落し、隊員2名が犠牲となりました。宮崎県新田原基地に向かって航空自衛隊小牧基地を離陸し、飛行計画では高度5000mまで上昇予定だったものが、1400m上昇後、旋回中に急降下し墜落に至ったと報道されています。

航空自衛隊小牧基地は、名古屋市、春日井市、小牧市、豊山町の3市1町と隣接しており、基地周辺には約280万人の市民が生活し、人口密集地のど真ん中にある基地です。今回の墜落事故は、一歩間違えば、多数の市民の命が失われる大惨事となるところでした。墜落現場周辺は、観光や散策等の人の賑わいもあり、「機体が迫ってきた」という明治村観光客の証言や「機体の破片が飛んできた」という釣り客の証言が報道されています。また入鹿池は、農業用水としての利用もなされ、周辺住民の生活に大きな影響を与えていることが危惧されます。

県平和委員会は15日、航空自衛隊小牧基地に、安保破棄実行委員会、小牧平和県民集会とともに申し入れを行い、以下の要請を行いました。

一、当面、T4・ブルーインパルスの飛行を中止すること。

二、事故の原因究明・再発防止策を明らかにし、関係団体・周辺自治体と住民に説明会を開催して納得を得ること。

三、原因と再発防止策を明らかにし、自治体・住民への説明会が行われるまでは、同機の訓練・飛行は行わないこと。

四、農業用水としての影響の無いよう万全の対策を講じること。万が一、影響が出た場合には、農家等への保証を行うこと。

自衛隊には回答を求めましたが、返答はなく不誠実な対応です。この申し入れは、東海テレビで報道されるなど注目が集まり、その模様を伝えたX(旧Twitter)では166万回視聴されるほどでした。この申し入れでは、新婦人県本部からも同様の要請文書が手渡されています。

T4はこれまで何度も事故を繰り返してきており、合計6回(8機)も墜落等の事故(T2を含む)を起こしています。それ以外にも、2019年のF35戦闘機の墜落、2022年小松基地におけるF15戦闘機の墜落など、この間、自衛隊は毎年のように深刻な事故を繰り返しているのです。このような事態は、周辺住民の安全を脅かすばかりか、自衛隊員の命を奪うものであり、徹底した原因究明と再発防止が必要となっています。