沖縄県主催 デニー知事トークキャラバン 沖縄の声を聞き皆で考えてみませんか?

8月19日、名古屋市公会堂で沖縄県主催の「デニー知事トーキングキャラバンIN名古屋」が開催されました。アトラクションは八重山民謡保存会の皆さんによる琉球民謡で始まり、続いてデニー知事による基調講演に移りました。知事は自身の父親が沖縄に駐留していた米軍人であり、今でも顔も知らない境遇から語り始め、辺野古の新基地移転問題の原点は95年の米軍人による少女暴行事件であると指摘、翁長前知事の埋め立て承認の撤回と度重なる県民の辺野古「ノー」の民意をしっかり引き継いでいくと表明。

政府は軟弱地盤の埋め立てについて、工期も建設費用も示さず、県の指導も無視、約束の事前協議もないまま、施工方法や手順を変更して土砂投入を進めていると批判。また、県が上訴した「埋め立て承認の撤回」を国土交通省が取り消した裁決を「審判とバッター」が同じ仲間だと云い、これでは地方自治も民主主義も成り立たない問題と批判。このことを沖縄県が許せば前例になり全国へ広がる危険があると指摘しました。

昨年の全国知事会で日米地位協定を巡り抜本改定を求める提言が決議されたことに関し、沖縄の現状について、本土でも理解が広がっていると述べ、沖縄県が調査した外国の地位協定を示し、全国から「国内法を守れと米側へ要求しよう」と提起しました。そして「辺野古・日米地位協定」の問題を全ての国民が「自分事」と受け止めて欲しいと訴えました。終盤に、知事は「平和と経済」の発展を同時に推進し、誰ひとり残さない「やさしい」沖縄をめざすと決意を表明し、800人に及ぶ参加者から熱い拍手が送られました。

パネルディスカッションは「新外交イニシアチブ」の代表・猿田佐世氏がコーディネーターを務め勧められました。最初は衆院議員の近藤昭一氏が「米軍基地問題議員懇談会」会長の立場から辺野古問題に触れ、鳩山政権時代の反省も語られました。

次の中京大学総合政策学部教授の佐道明広氏から、「辺野古問題と日本の安全保障」について述べられ、国の謳う「抑止力」に疑問を呈しました。

三番目は「笹川平和財団参与・元陸上自衛隊研究本部長」の山口昇氏が「政府は国民を守る」立場から、辺野古基地建設容認の話がありました。しかし沖縄への基地の集中は問題があり、国民全体でその問題を

共有する必要性もつけ加えました。
会場からパネリストに対する質問が多く出されましたが、時間がなく一部のみの討論になり残念と思いました。