原水爆禁止世界大会 3年ぶりの被爆地開催

核の威嚇を許さず、核廃絶へ前進しよう

7/26 民主会館

「原水爆禁止世界大会が、今年はオンラインを併用しつつ、三年ぶりに被爆地で開催されることをともに喜びたい」―8月4日からはじまった「原水爆禁止2022年世界大会」は3年ぶりに現地開催の喜びに充ちた野口邦和「世界大会」運営委員会共同代表による「主催者報告」から始まりました。野口氏は、今なお世界に存在する1万3000発の核弾頭、プーチン大統領による核兵器使用威嚇を糾弾し、「人類がその惨禍から逃れる保証は、核兵器禁止・廃絶しかない」と強調します。そして「ウィーン宣言」の「最後の国が条約に参加し、最後の核弾頭が解体・破棄され、地球上から核兵器が廃絶されるまで、休むことはないだろう」の一節に、「こここにこそ世界の本流がある」と訴えるのです。

「世界諸国民の要求こそ禁止条約の基礎を形成する」と述べて日本の運動を称賛するアレクサンダー・クレメントオーストリア大使、「過ちを繰り返さないためにも、被爆者は核兵器のことを語り継いでいかなくてはならない。被爆の実相を風化させない努力が必要」と訴えた箕牧智之日本被団協代表委員、更に浜矩子同志社大学大学院教授が「二つの被爆地から広がる核兵器廃絶の声は、聖書でいう『荒野に叫ぶ声』に聞こえる」と述べた連帯挨拶を受けて、小畑雅子全労連議長が「平和の波」の開始を宣言しました。

●国際会議 世界の運動がつながる・広がる

世界大会であいさつするオーストリア大使

これまでの世界大会では集会の諸行事とは別に開かれていた「国際会議」が、全体集会の中に位置づけられて、多くの参加者とともに海外代表の意見を聞くことができました。「国際会議」はセッションⅠ・Ⅱ・Ⅲと分かれて8月4日、5日にわたって行われます。

「核兵器が地上にあること自体が非人道的です」―日本の被爆者・児玉三智子被団協事務局次長はじめ、韓国人被爆者団体、核実験被害のマーシャル諸島から、被爆の実相と核兵器の非人道性を訴えるセッションⅠ。

セッションⅡでは、ウクライナ・ロシアの代表が戦争の停止と核兵器の威嚇に屈しない思いを語り、アメリカやイギリス、ベルギー、日本の代表が各国で運動の現状と役割について報告。更にセッションⅢで韓国、オーストラリア、ベトナム、日本の代表が現状を見据えた運動の方向性を展望しました。質疑・討論に、小学生や高校生が質問・意見で果敢に参加していたのが印象的でした。

●すこぶる元気、愛知県代表団

8月4日の夕には、愛知県からの代表の交流を図る代表団会議が行われました。今大会には、68人の参加が確認されていて、代表団会議では各団体の代表から「全体集会やテーマ別集会で大いに学んで帰りたい」と、力強い決意が語られました。翌5日の午後には、テーマ別集会や碑めぐりなどの野外活動に参加、愛知県の参加者はすこぶる元気です。元気さでは、平和委員会も負けてはいません。会員・読者各2名の仲間づくりにがんばりました。