ノーモアヒバクシャ訴訟 上告審不当判決 被爆者支援の運動と核兵器廃絶の実現を

2/25 名古屋市北区

原爆症認定を求めるノーモア・ヒバクシャ訴訟の上告審(最高裁第3小法廷・宇賀克也裁判長)の判決が2月25日に言い渡されました。
 
原爆症認定には、「放射線起因性」と「要医療性」という2つの要件がありますが、この裁判は、要医療性をめぐって、愛知(高井ツタヱさん)と広島では高裁で勝訴し、長崎では敗訴した裁判の上告審でした。高裁で異なった判断を統一するための判決でしたが、残念なことに、国いいなりの不当判決でした。
 
弁護団は、「結論先にありきの判決だ。私たちが、意見書、弁論で提起した問題には何ら答えず、ひたすら国の主張を追認しただけ。原爆放射線被曝が特殊の被害であるといった被爆者援護法の趣旨や、被爆者援護法には社会保障法的性質に加え、国家補償的性質をあわせ持つといった最高裁が今まで繰り返し判示してきた事柄についても、一顧だにしていない。」と批判しています。
 
判決を受けて高井さんは、「被爆から75年。被爆による病気の悪化や進行について不安を抱えて生きてきました。子や孫への影響も心配してきました。私のような苦痛を再び起こさないよう、この世界から核兵器がなくなることを願っています」と語りました。
 
多くのマスコミは今回の最高裁の被爆者切り捨ての判決を批判しています。「救済の精神にのっとった新たな制度設計が求められる」(中日新聞・社説)のとおり、私たちは、この判決にまけず、被爆者支援の運動を続け、被爆者と一緒に核兵器の廃絶を実現したいと思います。