愛知憲法会議第51回総会報告 憲法「改正」発議を許さないために
1月29日、民主会館にて第51回総会が行われました。第一部は斎藤一久さん(名大)による記念講演「憲法26条の『改正』を問う」。「私はB型でマイペース?」の自己紹介から始まり、「(国民は)憲法を守らなければならない」との俗説が浸透しているが、憲法は権力者を縛る規範であることを再度確認したいと冒頭で述べられました。反して自民党の改正草案で「全ての国民はこの憲法を尊重しなければならない」とされている点は大変危険であると指摘がありました。
続いて、2017年に自民党が示した改憲4項目の4番目「教育の充実」に焦点を当てます。下村博文氏のブログでは「SOCIETY 5・0社会のために改憲を」と気軽な装いで煽っているが、26条に新たな理念規定を加えることの憲法学上の問題点が解明されました。草案の「(教育は)国の未来を拓く上でも重要」という記述についても、理学のような短期的に役立たない学問への支出が「違憲」などと言われかねない危険な加筆になると指摘されました。
第二部では、総会議案が本秀紀事務局長より提案され討議されました。「首相が佐渡金山を世界文化遺産として推薦すると表明したが、朝鮮人強制労働の歴史を認める必要がある」「台湾有事の危険に対してどう世論を喚起するか」「事務局体制の困難が増す中、活動の今後はどうあるべきか」など、率直な意見が交わされました。
特効薬があるわけではないが、「長年にわたり語り広げてきた『憲法のこころ』を再確認し、自らの足元から少しずつ語り広げることからではないか」との意見が印象的でした。