11・3愛知県民のつどい 9条こそが最善の安全保障
「九条は、近隣諸国への最大の『安心供与』として機能し、アメリカの戦争に『巻き込まれ』るのを防いできた」―秋晴れの空が広がる11月3日、あいち九条の会による「2022愛知県民のつどい」が、名古屋市公会堂を会場にユーチューブ視聴も含め800人近い参加で行われました。講演を行ったのは、中野晃一上智大学教授です。
中野氏は、「そもそも九条は自衛について定めた条項ではない」と日本国憲法九条の条文の意味合いを、憲法前文の平和的生存権、13条の幸福追求権と合わせて考える必要があると説きます。一方、政府見解(防衛省「憲法と自衛権」)は平和的生存権、幸福追求権を守るためとして、「武力の行使は許容される」としているのです。
日本政府が抑止力としてアメリカの傘に依存していることに、中野氏は「抑止」の本来の意味は「未然に防ぐ」であって、「安心供与」が伴ってしかるべきであって、「武力を意味するものではない」と強調します。防衛費倍増・日銀の国債引き受け・予備費の膨張など「戦時財政」に向かう中、中野氏は「九条の危機は暮らしの危機」と、福祉・教育が切り捨てられる危機を訴えました。
「改憲」から「壊憲」へ突き進む危機をどう乗り越えるか、中野氏は参加者からの質問にも答える形で、「市民運動の再構築が求められる」と説きます。「(これまでの運動によって)地下水脈のようにつながった人々とともに、いかに希望を持てる国にするか」―中野氏は、「誰でも参加できる運動が求められている」と述べて、「のびやかな運動を若い世代に見せる必要」を訴えるのです。
最後に、あいち九条の会の加藤洪太郎事務局長が閉会のあいさつで、「今日の話を良かったで終わることなく周りに大きく広げよう」と呼びかけました。