緑区学習会「沖縄の基地問題を語るジェンダーの困難さ」

10/15 みどりの広場

緑区平和委員会は、10月15日(土)午前に例会「沖縄の基地問題を語るジェンダーの困難さ」を開催した(於:緑区有松「みどりの広場」17名参加)。当日は、緑区在住の桐山節子(現代アジア研究)さんが、沖縄県金武町の女性たちによって闘われた金武杣山訴訟を例に、基地の町の生活から家父長制とジェンダー問題を課題とし、基地被害、経済的な権利、地域運営に参画する政治的な権利として軍用地料問題を取り上げた(『沖縄の基地と軍用地料問題-地域を問う女性たち』から)。

裁判は、2002年12月、沖縄本島北部・金武町の女性たちが,コミュニティ内の男性世帯主だけに軍用地料―占領期は米国、復帰後は日本政府が支払う基地賃貸料―が、配分される仕組みの不当性を訴えたもので、2006年に最高裁で敗訴した。

この課題は、琉球処分以来の近現代沖縄の歴史、米軍基地・ジェンダー・土地などをめぐって複雑な利害関係を抱え込まされた地域社会と、それを変えるべく立ち上がった女性たちの闘いを通して、今も沖縄を分断しつづける日本の矛盾を浮き彫りにするものだ。会場からは家父長制だけでなく、ジェンダー平等にも関心が寄せられた。

彼女らの行動をみると、生活におけるジェンダーの違和感は、黙っていないで言葉にしている、身近にそうした話し合いの場はあるだろうか。

なお、本年5月、裁判の被告入会団体は16年ぶりに会則改正し、コミュニティ内の軍用地料をめぐる女性差別は解消に向かった。