多国間共同訓練 対中国を念頭に戦時医療体制 訓練は中止せよ!と小牧基地に申し入れ

7/17 小牧基地に着陸した米軍輸送機

愛知県平和委員会は7月13日、安保破棄実行委員会とともに多国間軍事訓練中止を求めて小牧基地に申し入れを行いました。

防衛省資料によると、訓練は7月3日から21日にかけて米空軍が主催する多国籍演習モビリティ・ガーディアン23(MG23)として行われ、北海道で日米共同演習、そして航空自衛隊小牧基地と周辺空域で多国籍訓練を行いました。MG23は、日・米・英・仏・加・豪・ニュージーランドの7カ国が参加し、空輸、空中給油、航空医療後送、航空機動と指揮統制を行いました。小牧基地では米空軍と英空軍の輸送機と、米・英・豪・加・ニュージーランドから約70人が参加し、航空医療搬送訓練が行われました。

訓練は、対中国の戦争を想定して、世界規模で米軍の戦闘部隊を迅速にさまざまな基地に緊急輸送し、戦闘機もさまざまな基地に展開し、補給の体制をつくり、あらゆる基地や空港を使って戦争できる態勢をつくるものです。これに多国籍軍も動員し、自衛隊が組み込まれ、共に攻撃する役割を担わされようとしています。これは地域の緊張と軍拡競争を激化させるだけです。しかもそれは、今回小牧基地を拠点に航空医療搬送訓練が行われるように、日本を戦場化し、多数の死傷者を生むことを想定したものです。

また今回の訓練は、春日井市、小牧市、豊山町が従来から政府に働きかけてきた、県営空港における「米軍機の利用がないよう」求めてきたことに反します。

防衛省・小牧基地に対し、「訓練中止」を厳しく求めました。申し入れでは、防衛省の指示の下行われ、基地としては詳細は分からないとする無責任な態度。訓練に参加する各国兵士がどのルートで小牧基地に入るのかさえ分からないとの回答です。

また、自衛隊は訓練の位置づけを災害救助にもつながるとの回答でしたが、東日本大震災の時でさえ、多国籍の軍隊が一堂に災害救助を行った事例はなく、非現実的と言わざるを得ません。

7月17日には、小牧基地に米軍と英軍の輸送機が発着し、多国籍軍の兵士が降り立っているところを目撃しています。

今回のような訓練は、許されません。また地元住民の反対や不安もある中、住民説明も抜きに訓練を強行することは民主主義の点でも許されません。このような問題点を踏まえ、戦争準備を許さない世論と運動を大きくする必要があります。