被爆体験を聞く会 平和を求める被爆者の姿勢に感動
愛知県の高校生と大学生の組織である、あいち学生平和会議と愛知県高校生平和ゼミナールの共催で、10月26日(土)民主会館において「被爆体験を聞く会」が開かれました。16人が参加しました。
広島の被爆者の金本弘さんは、「赤ちゃんだった私を抱いて、広島の街を逃げ延びた姉は、結婚を反対され、いわれなき差別にあい、子どもを産んでも死産。本当に苦しんだ。この辛い想いを誰にもさせたくない」と語りました。話を聞いた中高生、大学生から次のような感想が寄せられました。
高校2年生の生徒は「原爆を落とすという場当たり的な行動によってそこに生活している人が実験台にされた。戦争の現実は酷いと感じました。米国に恨みや憎しみを持つのではなく、平和を求める被爆者の姿勢に感動しました」と話します。
また、世界大会にも参加した中学生は、「黒コゲの状態で、探しても見つけられず、誰だかわからず、家族の行方もわからなくなるような状況に戦争の事実を感じた。死んだ方が良かったなんて言葉が出る状況は、呪いだと思う」と。初参加の中学生は「(戦争体験も含め)こんな話を聞くという経験はこれまでなかった。原爆が落ちて瞬間的に亡くなる。こんなこと怖すぎて想像ができないし、想像したくないのが正直なところ」と絞り出すように語りました。
何度も参加してきた大学生は、「被爆体験を聞いたことが、私の活動の原点。出身地で話を聞いた方からも、状態が酷くて家族が気づけなかった。
『気づいてあげられなくてごめんね』と語っていたことが忘れられない。体験を聞ける最後の世代として、引き継いでいかないといけない」と話しました。
そのほかにも次のような感想が寄せられました。
▽澤村さん
差別され、二重、三重の壁を乗り越えて語る勇気に頭がさがる思いです。時間がないことに危機感をもちます。
▽被爆2世の黒田さん
岩倉市で、被爆体験を語ってもらっています。当時の記憶がない中で体験を語る努力がすごいと思います。母と一緒に広島へ墓参したときに、墓石に刻まれた亡くなった日付に愕然としました。小さい頃、あまりにも酷くて、想像すると耐えられないので避けてきましたが、これからは努力したい。
▽新婦人 長谷川さん
世界大会で辛さをよく知った。辛さはその人一人が背負うものではないと想う。証言を引き継ぐ一人になるために最大限耳を傾けないと、新しい事実を継ぐ事ができないと思います。
参加者はこのあと、国連軍縮週間の宣伝行動に参加し、核兵器禁止条約批准を求める署名を街頭で集めました。