戦後・被爆80年あいち平和のつどい 核兵器廃絶の思い共有して

9月27日、名古屋市公会堂を全館借り切っての「戦後・被爆80年あいち平和のつどい」が、のべ1800人の参加で開かれました。2階から4階の集会室では、実行委員会に参加している各団体の、朗読・歌に講演、展示・販売など各企画のスペースが設けられ、4階ホールには国連本部の「国連原爆展」
で展示されたパネルをはじめ、「被爆者・高校生が描いた原爆の絵」や「ビキニ被爆」「捨てられた朝鮮人被爆者」のパネルとともに、日本被団協がノーベル平和賞で授与されたメダル(レプリカ)も展示され、多くの人が訪れています。
「80年前のあの日を考える一日にしてほしい」――午前は「原爆犠牲者を偲ぶつどい」が行われ、主催者あいさつに立った金本弘愛友会理事長は、冒頭の発言に続けて、この1年に愛知県で亡くなった105人の被爆者に思いを寄せながら、「80年前に2発だった核兵器が今は1万2000発、1980年に37万人いた被爆者も昨年10万人を切った。命ある限り証言活動を続けて、日本政府の核兵器禁止条約参加を実現したい」と決意を述べました。
原爆犠牲者への「献花」では、被爆者遺族をはじめ参加者の長い列が続いたのでした。愛知県平和委員会からは、小島俊樹理事長が代表して献花を行っています。
今年の青年による「平和の誓い」は椙山女学園高校の吉田小桜さんが行い、「平和を学ぶにはそれだけの理由がある。誰もがピースメーカー、追体験者となって語り継いでいくことがピースリレー」と力強く述べました。
午後は、朗読・合唱・舞台構成劇「広島第2高女2年西組」上演の第1部、被爆者と高校生、科学者が核兵器のない平和な未来について語り合う第2部「輝く未来へ」、合唱と群舞、アマチュアのデュオやバンドによる第3部「みんなでつくる平和のステージ」で、プログラムが進みます。

「輝く未来人」のステージでは金本さんらと会した高校生が「被爆者の声を直接聞くことのできない世代に引き継いでいく役割の世代」「核抑止が社会を不安定にしている」と発言、同席していた物理学者で元愛知教育大学学長の松田正久氏も「原爆は必要悪ではなく、絶対悪。核で抑止はできない」と口を揃えました。
フィナーレは、県内各地、各分野の平和行進参加者が、被爆者、高校生らとともに登壇、会場の参加者とともに「折り鶴」「青い空は」の大合唱です。歌に合わせて手を振る参加者が印象的でした。そして、私たちの思いに合わせるかのように、翌28日の新聞には、署名国95,批准国74の発表とともに、「核禁条約半数突破」の見出しが躍っていました。



