「あきらめない」努力を弛みなく 憲法施行78周年「市民のつどい」

施行から78年目の憲法記念日の5月3日、名古屋市公会堂では60回目となる「市民のつどい」が開かれ、ウエブ市長を含め1450人強が参加しました。主催団体の愛知憲法会議の結成60周年にもあたります。講師に憲法学者の小林武氏、文化企画には沖縄民謡歌手古謝美佐子さんを招いての企画のテーマは「沖縄から問う 憲法は生きているか」です。
「日本では戦後一貫して民衆が憲法を守り、憲法が民衆の人権と生活を支えてきた」――「終わらない戦後、沖縄の80年」と題して講演した小林氏は、13年間の沖縄生活をふり返りながら、敗戦とともに米軍統治下に置かれ、日米講和条約では本土と切り離され、本土復帰後も米軍による事件・事故に苦しめられる沖縄の過去と今を語ります。沖縄にとっての憲法は53年でしかありません。
「戦後が終わらないまま『新しい戦前』に入っている」――集団的自衛権行使容認で「戦争できる国」へ変貌させた安保法制、敵基地攻撃能力保有でそれを具体化した安保三文書。結果、南西諸島の軍事要塞化、完成しようもない辺野古基地と、沖縄は危険にさらされています。その根本にあるのが日米安保体制です。
小林氏は日米安保条約を「博物館行きの代物」と評し、条約10条の終了規定に基づいて廃棄通告を行い、「対等・友好の日米関係を」と訴えました。
「戦争――たった二文字がなぜなくならない」――文化企画で古謝さんは、歌そのものもさることながら、発言の一つひとつに含蓄があります。「憲法も歌もみんなで造っていくもの」と、「安里屋ユンタ」では観客とかけ合い、会場が一つになるのでした。