日本平和大会in愛知に3000人が参加
日本平和大会in愛知が、10月25、26日に名古屋市で開催され、前日のオプショナル企画と合わせて、のべ3000人以上が参加しました。
開会集会

ぞうれっしゃ合唱団による「ぞうれっしゃがやってきた」の歌で始まり、名古屋空襲を体験した筧久江さんや、被爆二世の大村義則さん、戦争被害者と連帯するピースフォーウクライナのみなさん、パレスチナ連帯運動に取り組む金城美幸さんが発言。新外交イニシアティブ代
表の猿田佐世さんもビデオメッセージを寄せ、フォーラム平和共感研究員イ・ジュンキュさんが連帯の挨拶をしました。
全国の運動の交流では、最初に矢野事務局長が発言し、愛知県の参加者も登壇。愛知で製造した兵器の輸出や死の商人国家にさせない決意を語りました。名護平和委員会の代表は共同訓練の実態や、抗議に自衛官が恫喝する事態などを告発し、長射程ミサイル配備がされようとしている熊本、静岡からも発言がありました。愛知県労働組合総連合議長の西尾さんが医療・介護の過酷な現状を語り、全日本教職員組合中央執行委員の鈴木さんは、教育の場への戦争の浸透に反対する運動を発言。愛知・静岡・福井の高校生は、運動を交流し仲間を全国に広げていきたいと語りました。
愛知県の基地・軍需産業を巡るフィールドワーク

大会前日の24日、オプショナル企画として愛知県の基地と軍需産業を巡るフィールドワークを開催し、マイクロバス8台で210人(他県から102人)が参加しました。
愛知県営名古屋空港展望デッキでは、航空自衛隊小牧基地で後方支援活動を行う空中給油機やC130輸送機を説明。海外派兵の支援拠点として、危険性が増大しています。また、空港に隣接する三菱重工小牧南工場では、F35戦闘機の最終組み立てや次期戦闘機の共同開発が行われ、大軍拡の中心的役割を果たしていると告発されます。
その後、豊山町の施設で県平和委員会副理事長の城下さんが愛知の軍需産業の実態を報告。三菱重工小牧北工場では長射程ミサイルが生産開発されていることなどが話されました。新婦人小牧支部の郷治さんからは、騒音被害や墜落事故などの不安が語られました。
その後、三菱重工小牧南工場、次期戦闘機の設計センター前で「戦闘機つくるな」「ミサイルいらない」「殺傷武器の輸出は反対!」とコールしました。
夜の交流会は、60人が参加し、フィールドワークの感想と全国のたたかいが交流されました。
学びと交流のつどい 愛知から見る平和の今
25日は開会集会に続き、市内8会場で県内の各団体が企画した分科会「学びと交流のつどい」が行われました。本号ではA~Dの4つを紹介し、残りE~Hは次号で報告します。
A 愛知から見える大軍拡と戦争動員体制

予定を超える参加者178名を迎えて開催されました。
城下氏の講演では愛知県内の軍需産業の実態について、現役パイロットの和波氏と元港湾労組書記長の光部氏からは「戦争する国づくり」に交通運輸業界が組み込まれていることが報告されました。
城下氏は愛知県の軍需産業で造られた武器(戦闘機・ミサイル)が全国に配備されていると発言。
和波氏は、「民間航空業界が戦時体制に組み込まれ、日本はすでに米軍に制空権を奪われている。有事になれば空港は軍事優先になり、民間航空が協力させられる」と話しました。
光部氏からは、「港湾の軍事利用が拡大している。平和であってこそ港湾労働者が働くことができる。港湾労使で戦争協力しないために行動している」との発言がありました。
参加者からは、「こんなに戦争体制が民間人を巻き込んで進んでいるなんて」「この講演はぜひ私の地域でも開催してほしい」などの声が出されていて、早速3氏に講演を依頼する方もいました。
B ドキュメンタリー「医の倫理と戦争」上映会

愛知県医労連、愛知民医連、愛知県保険医協会は共同でドキュメンタリー映画「医の倫理と戦争」上映会を実施しました。映画上映後は5~6人のグループで感想交流を行いました。まだ一般公開されていない映画のため大盛況で、90席が満席でした。戦争中、日本が中国人捕虜を「丸太」と称して人体実験を行っていた「731部隊」のことや、「慰安婦」について触れながら命と人権について深く考えさせられる映画です。歴史的にも医療者は戦争に真っ先に動員され、ナチスドイツに匹敵する日本の医療者による戦争犯罪の事実は、医療者にさえも明らかになっていません。映画でインタビューに応じた方の共通したメッセージは、「戦争に備えるのではなく、医療者は戦争を起こさないことに全力をあげるべき」というものです。
つどい参加者からは「もっと多くの人に見てほしい」「別の機会にも上映会をしてほしい」と感想が寄せられました。
C 「愛知・名古屋の空襲と戦跡」を入り口として

前半は3名のパネラーからの報告があり、最初に県立一宮特別支援学校教員の櫻井千栄さんが「推し活から考える平和」として発表しました。昨年12月、韓国では尹前大統領の戒厳令で国会に軍が派遣されましたが、集まった国民が体を張って軍の国会突入を阻止しました。当時、櫻井さんの「推し」であるBTSのメンバー5人が兵役についており、「アイドルが大統領の命令で国民に銃を向けていたかもしれない」事態だったのです。その後、全教の韓国スタディーツアーで光州などを巡り、現地ガイドの「記憶されない歴史はくり返される」という言葉に衝撃を受けたと話しました。
劇団名古屋の杉本愛さんは、子ども食堂をテーマにした演劇「子どもと大人と食堂と。」に主演しました。貧困家庭に育った兄妹の姿から格差社会を問う社会派の劇で、「現代の無縁社会では多世代の交流が必要だというメッセージをこめた」と言います。今後も福島原発事故など社会問題を扱った劇を上演し、歴史の過ちをくり返させないための公演を続けていきたいと話しました。
東海高校教員の西形久司さんは、戦前から名古屋は軍用機のエンジンの生産拠点で米軍の標的にされたこと、名古屋空襲ではあの東京大空襲とほぼ同量の焼夷弾が落とされ、日本で最初に焼け野原になったことなどを話しました。
後半は発表を聞いてのグループディスカッションで、平和な世の中を守るために私たちに何ができるかなどを話し合いました。最後に西形さんが、「過ちをくり返さないためには、知ること、学ぶこと、記憶することが大切」と平和運動を継続することの重要性を語りました。参加者は77名でした。
D 地方自治と平和行政

「平和な社会は地域から」の分科会には64名の参加がありました。
本分科会運営の実行委員会で全国の自治体から平和行政アンケートを集め、集約結果を参加者に配布しました。とても好評でした。全国に広げてほしい、毎年行ってほしい、との声もいただきました。非核の政府を求める愛知の会のホームページにアップしています。https://hikaku-aichi.jimdofree.com/
三浦市が労働組合と一緒に市民参加型・非核平和イベント「みうらピースデー」を継続して行っている報告には「自治体との共同で進める事業をどうすすめればいいのか」と関心が高く寄せられました。また、非核神戸方式の地方自治を生かした強力な平和力の報告には、運動で勝ち取った成果を、この間の攻撃に屈せずに市民の力で継続させる意義が語られました。四国の反核ライダー、反核へんろの取り組み報告では、地道な運動が人を変え、自治体を変えることが強調されました。充実した内容で時間が短かったとの声が多くありました。
E 命と暮らしを脅かす気候危機
一〇月二五日、労働会館会議室で日本平和大会つどいEとして、「命と暮らしを脅かす気候訴訟~『あのときなぜ止めなかったのか』と言われないために~」が開催され、北は山形県から南は沖縄県まで、全体で一〇七名が参加して、気候危機と平和について熱く語り合いました。
つどいの前半では、若者気候訴訟弁護団の中根弁護士から「若者気候訴訟について」と題して、北海道から福岡などに住む一五歳~二九歳までの若者一六名(提訴時)の原告が「何を求めて提訴したか」「何を求めているか」を丁寧に説明したうえで、「気候変動問題が悪化し続ければ、食糧生産の危機を招き、難民増加につながり、資源の奪い合いから悪循環につながるリスクが高まる」と、気候変動問題の回避が平和のための行動であることも指摘されました。
講演後には、参加者との質疑を行い、子どもや孫、何より自分自身のために、気候危機へのとりくみの重要性を確認しあいました。
F 沖縄から考える

メインスピーカーであるぬちどぅ宝あいちの知念さんが、沖縄で起こされてきた被害を「これは、私だったかもしれない」と語ってくれたことから、なぜ名古屋にいる「私」が沖縄で起きていることに同じように怒るのか、パネリストが「私」のストーリーを語ることを大事にしました。知念さんからは、沖縄で暮らした時代に起こされた米軍、そして旧日本軍による被害、今も沖縄に基地が押し付けられるもとで起こされる被害が語られました。パネリストからは、本土での「無関心」への問題意識や、沖縄に触れる中で自分たちの特権性に気づかされた発言がありました。
小牧基地近くに事業所のある障害者福祉施設の労働者は「平和こそ最大の福祉」を体現できるよう基地のある地域の労働者としての決意を話しました。参加者には付箋に「私ができること」を書いて意思表示をしてもらい、「関心を持ち続けたい」「自分のできることを」と、たくさんの想いが寄せられました。
G 戦争の実相を語り継ぐ

戦争展は中高生が戦争の実相を学ぶ絶好の機会です。そのため、中高生の戦争展参加を促すため「戦争展に中高生が参加する懇談会」を結成して、2022年から活動してきました。構成メンバーは、私立高校と公立高校の組合役員です。まずは、1年間議論を積み重ね、戦争展実行委員会に改革の提言をしてきました。その中では、ピースステージと展示ブースが実現しました。
今回は、これまでピースステージに登壇した3校の高校と平ゼミに参加してもらいました。はじめに、椙山女学園高校から「『若い世代が平和を語り継ぐためにできることは何か』を探して」と題して、先生と高校生4人がそれぞれ話してくれました。
次に、平ゼミが愛知・東京・福井と元気な報告をしました。次に、同朋高校放送部から映像「沖縄戦・肉弾攻撃」の上映がなされ、「戦場で加害者にさせられる被害」の実相が伝えられました。最後に、豊川高校の先生から「豊川海軍工廠保存の活動と高校生」と題して報告がありました。
H 東海4県の軍事基地・戦争拠点化の動きと運動の交流
東海4県で抱えるそれぞれの問題が①戦争国家づくりにどう繋がっているか、②東海4県や全国とどのような関係があったり、共通したりしているか、③私たちの生活にどのような影響を与えているか、④それらに対してどのような運動が行われているか。そのような視点で各県5人から報告をしていただき、交流をしました。また、もとむら伸子衆議院議員から関連する国会論戦の報告もいただきました。
愛知で作られたミサイルやロケット砲は静岡の東富士演習場で訓練に使われたり、全国で配備されたりしています。小牧基地の輸送機の訓練は岐阜基地で行われています。三重の明野基地にはオスプレイが飛来し、整備・駐留拠点として使われています。沖縄と同じように騒音問題も発生しています。
報告を通じて各県での問題の関係性や共通点を明らかになりました。参加者からは、各県の運動の繋がりを強めていくべきではないかという意見が出されました。
閉会集会 600人が平和の行進
10月26日、若宮広場で日本平和大会in愛知の閉会集会が小牧平和県民集会実行委員会との共催で行われました。600人が集まり、「STOP WAR」「大軍拡反対」のプラカードを掲げコールを行いました。

デモに先立って行われた集会で小牧平和県民集会福本英雄さんは、小牧基地は空中給油機や輸送機などが配備され、敵基地攻撃大軍拡を支える最前線基地である危険性を告発し、「平和な名古屋空港と愛知県をつくる」と決意を込めました。
韓国のイ・ジュンキュさんは、極右の国際的な連帯を軽視してはいけないと述べ、「対抗する私たちの運動の連帯を強めよう」と呼びかけました。青年交流企画「ピースシャウト」について報告した、愛知県医労連の池田さんは、「大軍拡NOの世論を広げる」と力を込めます。最後にまとめの閉会あいさつを行った安保破棄中央実行委員会の林さんは、高市政権の危険性を告発するとともに、国民要求への矛盾から怒りと声が広がっていることを指摘し、「大軍拡反対署名を軸にして国民的世論をつくりあげよう」と呼びかけました。また、2026年の大会を神奈川県で開催することが発表されました。
その後、総がかり行動に関わる市民の方が中心となり、コールや太鼓のグループが先導してデモ行進を行いました。小雨の降る中でしたが、「ミサイルいらない」「戦闘機いらない」「平和外交で戦争とめよう」「軍拡やめろくらしに回せ」「軍事費削って 学費にまわせ」などのコールが街に響き、通りがかった青年も飛び入り参加するなど盛り上がりました。
