土地利用規制法9月より施行を前に内閣府に申し入れ

7/25 オンラインで行われた申し入れ

重要土地利用規制法の施行が9月1日に迫っている。しかし、その中身については疑問や問題が山積みであり、そこには住民不在で安全保障という名のもとに私たちの人権を無視する政府の危険な姿勢が滲み出ている。

7月25日、愛知県平和委員会、各地域平和委員会、日本共産党もとむら伸子衆議院議員、井上さとし参議院議員などが参加した重要土地利用規制法に関する政府への要請行動は衝撃的な答弁の連続だった。

基地周辺1キロを(特別)注視区域に指定するのだが、指定にあたって地方公共団体から意見を聞くことになっているが、この法律に最も影響を受ける地域住民に対して意見聴取したり、住民説明会を開催したりすることは検討していないという。また、その理由は安全保障に関することだからというものだった。そんな理由で地域住民の声を聞かないことが許されるのであれば、この国に民主主義はない。

また、土地の利用状況を調査するために指定された(特別)注視区域内の住民の住所、氏名、本籍、国籍など、必要があれば「提供を求めることができる」とされている。この情報提供は義務であり、当事者である住民たちが知らない間に個人情報がやりとりされてしまう。これはプライバシーの権利の侵害である。

この法律では(特別)注視区域内で機能阻害行為が行われた場合には罰則があるが、どういった行為が機能阻害行為であるのかが曖昧のままである。「個別具体的な事情に応じ、適切に判断する」と政府の恣意的な判断でその範囲が拡大される恐れがあり、この点についても「類型するのは難しい」と、ため息の出るような答弁であった。

基地周辺住民の権利をないがしろにする法律は廃止するしかない。

重要土地利用規制法の要請行動に参加して、私が強く印象に残ったことがある。

それは、住民の知らないところで何でも決めてしまおう、やってしまおうという、住民不在の政治手法がより強権的に進められてきているということである。法案を作る、あるいは法律の中身を固めていくときに「住民の意見を聞く」というプロセスが完全に抜け落ちている、そのことに何の疑問を感じていないような答弁をするどころか「安全保障のため」という理由にならない理由をつけて正当化しようとするところに、今の政府の危険性が表れていると思う。

F35ステルス戦闘機の整備拠点や最終組立工場の設置についても住民説明会は行われないままである。安全保障に関わるという点で重要土地利用規制法と共通している。集団的自衛権の行使容認の閣議決定、戦争法の強制採決、憲法9条改正の動きなど、戦争する国づくりが進められている中で、改めて民主主義の重要性を世間に広げていく必要があるのではないか。

今後、解散総選挙がない限り3年間は国政選挙がない。私たちが反転攻勢する準備期間と捉え、様々な団体との共闘を大切にしながら運動していきたい。