安保法制違憲訴訟控訴審 司法に正面からの憲法判断を求めて
昨年3月の名古屋地裁判決を「憲法判断をしない不当判決」と、控訴に踏み切った「安保法制違憲訴訟」控訴審が、9月25日、第2回口頭弁論を迎えました。5月29日に第1回口頭弁論が開かれましたが、担当裁判官の交代でこの日はこれまでの裁判を引き継ぐための「弁論更新」が行われています。
「弁論更新」は、弁護人が「控訴準備書面」(要旨)を読み上げる形で進められました。第1書面では、仙台高裁判決を引き合いに、「本訴訟における憲法判断の在り方」について述べています。いわく、仙台高裁判
決を「法益侵害の可能性を認めた点で評価すべき」としつつ、「安保法制は明らかに違憲でないから、違法ではない」と判決したことに、安保法制の大きな柱である「存立危機事態」を、「抽象的、あいまいな法概念」と指摘、「『存立危機事態』の認定が恣意に流れ、その概念は限りなく拡大する」と断罪するのです。
第2書面で歴史的事実とその背景から、現在の戦争の危険性を明らかにしています。「更新弁論に当たっての意見」では、憲法判断を避ける各地の判決に、「立法・司法の憲法違反を防止するための憲法保障を任務とする司法の役割を放棄したもの」と厳しく批判し、裁判所に対して「正面から憲法判断に踏み込むことを求めていきたい」と結びました。この日の法廷は、「国は、平和国家として進むという、私たち主権者との憲法上の約束を果たしてほしい」と述べた、森みゆきさんの「控訴人意見陳述」で幕を閉じています。
第3回口頭弁論は来年1月21日
「『総論』戦から『各論』戦へ反転攻勢、訴訟を中心に反対運動をいま一度大きく盛り上げていく」――報告集会では中谷雄二弁護士が、今後の訴訟のたたかい方の展望と反対運動との結合を訴えました。次回、第3回口頭弁論は、来年1月21日(火)11時から名古屋高裁で開かれます。