若者・憲法アンケート 憲法9条「変えるべきでない」増加
愛知県平和委員会青年・学生部は、5月3日の憲法記念日に名古屋駅で「若者100人に聞く!憲法アンケート」を実施しました。今年で29回目となる、青年対象の憲法意識調査です。結果・考察の一部を紹介します。回答数は104、平均年齢21・14歳でした。
「Q1 5月3日は何の日?」に対して「憲法記念日」と正しく答えられたのは33(31・7%)でした。
「Q2 憲法についてどう思うか?」に対して「変えるべき(以下、どちらかといえばを含む)」22(21・2%)、「変えるべきではない(以下、どちらかといえばを含む)」30(28・8%)、「わからない」52(50・0%)でした。憲法のどこを変えたいかを問うと「9条」「ジェンダー」などが挙げられ、時代に合わせて変えるべきという意見がありました。一方、変えるべきでないとした人の意見は「今のままでよい」「困っていない」などがありました。
「Q3 9条についてどう思うか?」という問いに対し「変えるべき」17(16・3%)、「変えるべきではない」56(53・8%)、「わからない」31(29・8%)でした。変えるべき理由として「世界情勢を考えて」などの意見がありました。変えるべきでない理由は「戦争したくない」「平和に過ごしたい」などがありました。
「Q4 9条第2項についてどう思うか?」との問いは、「変えるべき」18(17・3%)、「変えるべきでない」44(42・3%)、「わからない」41(39・4%)という結果でした。変えるべき理由として「自衛隊について明記すべき」との意見がありました。変えるべきでない理由は「武力を持っても何も生まれない」「争いを起こしたくない」との意見がありました。
「Q5 日本政府が昨年12月に「防衛装備移転三原則」を改定し、殺傷能力のある武器輸出を解禁したことを知っていますか?」の問いには「知っている」28(26・9%)、「知らない」71(68・3%)という結果でした。
「Q6 上記『Q5』の武器輸出解禁について、どう思いますか?」の問いには「賛成」23(22・1%)、「反対」58(55・8%)、「無回答」23(22・1%)という結果でした。反対の理由として「戦争に加担することになる」「人殺しの武器を売るのはだめ」「不安」が多くありました。
「Q7 平和のためにできることがあったらやりたいですか?」の問いには、「積極的に
やりたい」23(22・1%)、「少しくらいならやりたい」68(65・4%)、「あまりやりたくない」4(3・8%)、「やりたくない」5(4・8%)でした。
【考察】
Q3に関しては、「変えるべきではない」と答えた人が例年より増加し、半数を上回りました。ウクライナ侵略やガザの惨状を目の当たりにして、戦争をすべきでないと考え、戦争放棄を謳う9条を変えるべきでないと回答する人が増えたのだと思われます。
これまでは、変えない理由に「9条=平和」という回答が多くありましたが、今回は「9条改憲=戦争につながる」という回答が多くありました。
Q4に関しては、「変えるべきではない」が「変えるべき」を上回りました。武力は戦争につながると危惧する人が多く、あくまで専守防衛のための自衛力が必要であり、そもそも積極的に戦ってほしくないと考えている人もいました。
Q5について71(68・7%)と圧倒的多数が知らないと回答し、殺傷能力のある武器輸出解禁が大半の人に知られないままに進められようとしていることが明らかとなりました。
Q6について、58(55・8%)が反対しており、武器輸出が戦争への加担となり日本で作られたもので人を傷つけてほしくないとの意見が多く上げられました。