11・3愛知県民のつどい「9条」こそが戦争させない力
「総選挙で改憲勢力が3分の2を割ったことは喜ばしいことであり、私たちの大きな成果」――憲法公布から78周年の11月3日、「憲法9条をまもろう」と開かれた「愛知県民のつどい」は、あいち九条の会代表世話人・松田正久氏のあいさつで始まりました。松田氏は、「(裏金問題での)与党のオウンゴールと共産党のスクープの結果」と続けます。会場の名古屋市公会堂とオンライン視聴併せて850人が参加しました。
「戦後、戦争で国民が死ぬことがなかったのは、『9条』があったから」
――「日本を戦争する国にしない」と題して記念講演を行ったのは、元文部科学事務次官の前川喜平氏です。前川氏は、戦争を違法化し、力の支配から法の支配への方向を示した日本国憲法、中でも9条の持つ世界史的意義を語り、その精神を「壊憲」と「戦争をする国づくり」で壊してきた安倍―岸田政権を厳しく批判しました。その背景には、アメリカ言いなりの軍事大国化があり、「軍拡で平和は維持できない」「アメリカの核の傘は破れ傘」と糾弾します。
前川氏は総選挙結果にも触れ、大きく議席を伸ばした国民民主党は改憲勢力であり、過半数割れとなった石破政権が「緊急事態条項」と「自衛隊明記」へ「改憲解散」に打って出る危険性を指摘するのです。そして、政権交代で立憲主義を取り戻す必要性を説いて、講演を結びました。
続く「高校生との対話」の企画では、世代を超えた「平和の対話」を語り、2人の高校生も「知ることの大切さ、知ったことへの責任」との発言で応えます。予定時間を大きくオーバーした「講演」と「対話」でしたが、参加者は大きな拍手を送るのでした。
「♪70を過ぎた白髪は光り輝いている(『日本国憲法賛歌』)――「今日で(日本国憲法は)78歳なんですね。喜ばしいことです」のあいさつで始まった、文化企画に登場の「長野たかしと森川あやこ&横田昭」は、「♪民主主義は与えられるものではなく、つかみとっていくもの」と歌って、会場の喝采を浴びていました。