非核平和の願いを実現する愛知県・名古屋市要請
10月24日、愛知県平和四団体(愛知県原水協、愛知県平和委員会、安保破棄諸要求貫徹愛知県実行委員会、非核の政府を求める愛知の会)が、非核平和にかかわる諸要求を持って、愛知県・名古屋市へ要請行動を行いました。
この行動は、10月24日から30日にかけての国連軍縮週間にちなんで毎年行われてきたものです。
愛知県への要請
午前中の愛知県要請では、西尾愛労連議長が要請団を代表して、日本被団協のノーベル平和賞受賞の喜びを述べつつ核兵器禁止条約への日本政府の参加と被爆者支援策の強化などについての尽力を訴える挨拶を行いました。
今年の県当局の回答のうち非核の部分に関しては、来年被爆80周年を前にして、日本被団協のノーベル平和賞受賞の傍らでの要請に対する返答としては、去年までと変わらない冷めたものでした。
被爆・戦争体験の継承
被爆・戦争の体験を継承する事業の推進に対する回答として、「愛知・名古屋戦争のつめあとを巡るツアー事業」の開催、ガイドマップの作成と「戦争遺跡」の紹介などが前進しています。
戦争資料館では小中学生を対象とした夏休み企画として「戦争体験を聞く会」や「被爆体験を聞く会」が開催されています。
戦争資料として703名19,285点の寄贈資料の展示公開が課題となっています。
自衛官募集にかかわる個人情報提供については、県側の担当者不在のため後日となりましたが、「情報提供をできる」旨の通知文書を各自治体に送付している点からも大きな課題が残っています。
イスラエル企業支援中止を求める
愛知県によるイスラエル企業への支援問題で、県は「マッチングプログラム」事業を通じ、イスラエル機関と連携協定を結んでいます。4万人のガザ市民を殺害し、戦争を継続していること。それは入植活動と一体に行われており、ヘルスケア、農業など民間部門であっても無関係ではいられないことなどをあげ、中止を求めました。
県は、イスラエルの軍事支援につながるものではないとの答弁を繰り返しながらも、要望は真摯に受け止めたいとしました。また、愛知の企業がイスラエルと関係を持つとこと自体が問題であり、県がその事業を支援することはあってはならないことだと意見を述べました。
産業の軍事強化をやめ、米軍F35の受け入れを拒否してくださいとの要請には、「国の専管事項」を盾に物言わない立場を鮮明にしています。しかし敵基地攻撃能力の保有に続き、実践面では対中国戦略を念頭に核戦争を想定した演習が大規模に行われており、愛知県民が無関係でいることはあり得ません。その点で地方自治の観点が必要になってきます。
名古屋市への要請
午後は名古屋市要請です。安保破棄諸要求貫徹県実行委員会福田事務局長が代表挨拶を行いました。その上で要請団からは国連軍縮週間の中でのとりくみであり、ノーベル平和賞にふさわしく、被爆80周年予算をどのように立てていくのかを問いました。今、県下222のすべての高校で被爆の絵の展示会などの取組みが進められており、是非力強い支援をお願いしたいなどと要請しました。その上で、被爆二世の実態調査、検診、医療助成などの要請なども行いました。市側からは、80年への予算確保はしていきたい。しっかり受け止めて今後に向けて検討したいとの回答でした。
個人情報提供問題 回答できず
自衛隊への個人情報提供問題について、市側は2023年防衛省・総務省の「通知」(施行令120条は資料にあたることや住民基本台帳法上問題とならない旨の内容)を理由に、個人情報の提供を合理化します。しかし、法律にも防衛省の解説書にも「資料」の中に、個人情報が含まれてないことは明らかです。その旨、法律をどう解釈したのか?を問い直しても回答はありません。市側は、自衛官募集事務・業務イコール個人情報・名簿提供だとの根拠は示せないのです。引き続き要請団は今後に向けて、解釈と判断のプロセスを示して欲しいとしました。
F35戦闘機の整備拠点問題で現在試験飛行がすすめられてきたA型よりも10デシベルうるさいとされるB型の整備の可能性が示されているがどうかとの問いかけには、国の専管事項だとして回答がされません。
名古屋港の非核化について、当局は国動向に従うとの立場を示し、現在議論されている非核三原則の見直しがされれば、それに従うとの回答です。これでは、平和宣言の趣旨と大きな矛盾が起こります。当局者は、非核神戸宣言についても知らないとのことで、丁寧な説明と共に住民本位の地方自治の意味を伝えていく必要性がより重要になっています。