平和連続市民講座「辺野古の今」 すすまぬ工事 されど すすむ県民の分断

2月8日、第4回平和連続市民講座を開催しました。今回は、「辺野古の今――何度も何度も裏切られそれでも声をあげ続ける県民」と題して、名護平和委員会事務局長の上野郁子さんが講演し、民主会館とオンラインで45人が交流をしました。
冒頭のあいさつで小島理事長は、2月7日の日米首脳会談について触れ、「石破首相が国民の生活を犠牲にしてアメリカに尽くす姿は本当に情けない。とりわけ基地の強化や地位協定の問題で、沖縄の人々に大きな犠牲を強いているのは許されない」と話しました。
続いて上野さんが、本土では報道されていない事実を交えながら次のように話しました。
辺野古新基地建設は1996年に、「普天間基地を今後5年ないし7年以内に十分な代替施設が運用可能になった後に返還」という日米合意によるものです。米軍は辺野古の軟弱地盤を知っているのでこのような文言がはいっています。使い勝手のよい普天間基地を手放すつもりはなく、200億円以上を費やして改修工事をしています。
沖縄県民、名護市民はこれまでに何度も「辺野古新基地建設NO」という民意を示しています。それでも国は玉城知事が不承認とする軟弱地盤改良工事を代執行し、昨年8月、大浦湾側の杭打ち工事を開始しました。こうして始まったA護岸造成の杭打ちは4か月でわずか40本。辺野古の軟弱地盤には全部で7万1千本の杭を打つ計画で、いつまでかかるのでしょう。私たちの税金が湯水のように使われ続けているということです。

工事を急ぐあまり事故も頻発しています。昨年6月、辺野古埋め立ての土砂を搬出する安和桟橋で、警備員と住民がトラックにはねられる事故がありました。死傷者が出ているのに、警察は何時間もたってからようやくやってきて、事情聴取すらしません。基地に絡む事故では、警察は上の判断を仰いでからしか動かないのです。
基地反対運動は経済振興を餌に切り崩され、金にものを言わせる政府与党の分断策はうまくいっていると言わざるを得ません。オール沖縄も、市長はゼロになり、もはや体制は盤石ではありません。名護市長選では票がお金で買われたという話も聞こえています。反対派というレッテルが貼られると経営者には仕事が回ってこないという嫌がらせもあります。
宮城島、塩川、安和など、埋め立て土砂の搬出地が増えたことで、座り込みの人が足りません。県外からも応援にきてもらっています。辺野古では、97歳のおばあちゃんが座り込みを続けていて、「基地がなくなるのを見るまでは死なない」と話しているのです。