柳澤協二さん講演 台湾有事は日本有事ではない

11/3 名古屋市公会堂

11月3日、憲法公布79周年記念愛知県民のつどいが名古屋市公会堂で行われました。講演は柳澤協二さんによる「トランプ政権で混迷する世界と日本の将来」です。柳澤さんはかつて内閣官房副長官補を務め、日本の防衛戦略の中枢を担っていただけに、言葉に重みがあります。内容の一部を紹介します。

台湾有事は中台戦争です。これに米国が介入すれば米中戦争になります。米国は日本の基地が必要なので、事前協議が行われます。日本が同意すれば交戦国となり、ミサイルが飛んできます。中国も台湾も米国も戦争を望んではいません。三者共通の利益は「現状維持」です。台湾有事を煽るのではなく、起きないような外交をするのが政治の役割であるはずです。

中国と戦うには覚悟が必要です。これは自衛隊が数百・数千の犠牲を覚悟することであり、基地周辺の住民が日常生活の放棄を覚悟することです。台湾の政治的自立を確保し、日本への脅威をなくすには、中国を敗北させなければならない。そんなことができるのか、それでいいのか、国民的議論が必要です。戦争は政治家だけに任せるにはあまりにも重大ですが、その政治を選択するのは国民です。つまり、国民の自覚が最後のよりどころなのです。

日本は島国で資源を海外に依存しています。少子高齢化、調和を重視する国民性からも、攻める戦争には向きません。外敵は海を渡らなければ攻められず、抵抗する限り容易に占領・支配されません。だから専守防衛なのです。これは地政学的に合理的な守り方です。自ら戦争の動機を作らず、他国の戦争に巻き込まれないようにすればよいのです。敵基地攻撃能力はいりません。結論を言うと、防衛戦略として最も現実的なのは「核廃絶」です。抑止力と言っても、核保有は核による反撃につながります。核兵器が数発あれば島国日本は壊滅してしまうのです。