2024原水爆禁止世界大会開催される 被爆80年へ大きな飛躍を

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閉会集会 あいちの発言

2024年原水爆禁止世界大会広島大会が8月4日から始まりました。愛知県からは国際会議や長崎大会を含め134人が参加しました。

今年の世界大会は「来年、被爆80年を大きな飛躍で迎えよう」と位置づけられ、大変充実した内容となりました。

大会の冒頭、冨田宏冶国際会議宣言起草委員長が、「主催者報告」として国際会議宣言を報告しました。冨田氏は、「来年は被爆80年です。被爆者は『いまこそ核兵器廃絶を』と立ち上がっています。全力を尽くすことを誓おう」と呼びかけました。そして「希望の光は核兵器禁止条約」と語り、「戦争と破局か、平和と非核か―世界の進路を決定するのは私たちです。宣言の行動提起を豊かに発展させよう」と訴えたのです。

さらに、オーストリアのアレクサンダー・クレメント大使、インドネシアのマリア・レナタ・フタガルン駐日副大使とともに、閉会総会では、国連軍縮担当上級代表の中満泉事務次長、岸本聡子杉並区長があいさつしました。

クレメント氏は、第2回締約国会議を受けて条約履行への活動は順調にすすみ、核禁条約の普遍化や核被害者への支援への努力がなされていることを報告。「変化をもたらすのは、市民の行動だけなのです」と強調しました。

フォーラム1 核兵器のない世界のために

「核兵器のない世界のために―政府代表と市民運動の交流」と題したフォーラム1には約160人が参加。予定時間を超えて活発に討議されました。

昨年の核禁条約締約国会議議長国メキシコのバデル一等書記官は、「核兵器の無差別性」と「非人道性」に触れ、核兵器を持ち続けること等について「どんな理由を語ろうとも断固批判する」とし、核禁条約は重要な節目にあり「全ての未加盟国に加盟を呼びかける」と発言。

次回議長国カザフスタンのバトルハン参事官は、セミパラチンスク核実験場について、18,000㎢(四国とほぼ同じ)の広大な実験場で468回の核実験、かつては1250発の核弾頭が配備、今も被害が続いていることを報告。核実験永久禁止と核廃絶国際的イニシアチブなど様々な協力を呼びかけました。

マーシャル諸島のアンジャイン元上院議員は67回に及ぶ核実験について、ビキニ事件で有名なブラボーでは島のいくつかが消滅、アメリカに「人類の良いことのために」と言われ実験に協力、モルモット扱いされてきたことを紹介。

討論ではアメリカのガーソンさんから「日本の署名は皆さんが思う以上に国際社会にとって重みがある」とも。全体として核抑止力論を打破して禁止条約の流れを強める取組みの重要性を確認し合いました。

フォーラム2 非核平和のアジアのために

 8/5 フォーラム2

大会2日目、フォーラム2「非核平和のアジアのために~日本とアジアの運動との交流」が開催されました。その内容を報告します。

まず、日本から日本共産党志位議長が非核の世界と東アジアの平和構築に向けた取り組みを報告しました。日本政府に対し抑止力論を抜け出して核禁条約参加を求めていること、さらに憲法9条を生かした平和外交の重要性を語りました。

次に、ベトナム平和委員会のズアン・ティ・ガーさんは、ベトナム政府が軍事同盟は結ばない、外国軍基地は置かないなど「4つのNO」を掲げて外交をしていることを紹介し、地域発展のために核禁条約を批准する重要性を語ります。また、非核フィリピン連合のコラソン・ファブロスさんは、新たな米軍との軍事協定によって基地強化がすすんでいる実態を報告。最後に、韓国の韓信大学客員研究員のイ・ジュンキュさんが、朝鮮半島の非核化と平和プロセス(休戦協定)を一体として行うことが重要で、これは日本を含めた多国間協力によってこそ実現できると強調しました。

全体を通じて、米中対立による大軍拡がアジアに持ち込まれている一方で、戦争回避のための努力も行われていることがよくわかる交流でした。その点で日本政府に「外交」という文字が見当たらない―もっともっと知らせ、世論を大きくすることが必要だと思いました。